体当たりで挑んだ難病・脊髄性筋萎縮症について語った中島広稀 (C)ORICON NewS inc.

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 日本テレビ系ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』や映画『渇き。』(2014年)などに出演している俳優・中島広稀(25)が、10万人に1人か2人と言われる難病・脊髄性筋萎縮症(SMA)をテーマにした短編映画『Bon Voyage 〜SMAの勇者、ここに誕生〜』に主演。このほど、都内で行われた完成披露プレミア上映イベントに出席し「周りのフォローが本当に大事で、自分の意識も明確に変わったと思います」と役を通して実感した病気に対するアプローチの変化を発信した。

【動画】短編映画『Bon Voyage 〜SMAの勇者、ここに誕生〜』 予告編

 SMAは、運動神経に変化が起こり、次第に筋肉の力が弱くなり、生活に影響が及ぶ病気で、日本ではおよそ1400人の希少な疾患。生後6ケ月までに症状が出るI型、3歳までに出るII型、生後3年後以降に出るIII型、青年期後期から成人期に発症するIV型に分類される。今回、中島が挑んだ役はIII型で、運動機能の障がいの進行はゆっくりで、手指の震えや筋肉のぴくつきなどがみられる。

 さらにIII型は、進行が緩やかで病気として認識されにくく、長期にわたって正確な診断がされないケースも少なくないため、潜在的な患者も存在すると考えられている。同映画は、本人や家族、周囲の人々への気付きになるために製作された。また、SMAとともに生き、現在はネイリストとして活躍している上田菜々さん(21)が本人役で出演している。

 役に入る前から、病気について自分で学び、歩き方なども日常生活から実践していた中島。「特有の歩き方があって、それを染み込ませるのは難しかった」と役作りを振り返る。それでも「最後に前を向けるまで1年の時系列があって、それを15分に収めるのは苦労しました。なので丁寧に一つひとつ演じさせていただきました」と話す。

 上田さんは「映画でも描かれているんですけど、お母さんとの葛藤は私自身にもありました。私も何かしらの障がいを持っていると言われていたんですけど、病名が分かったのが小学3年生のとき。病名が分かっているのと分かっていないのでは全然違いますし、分かると治療法だったり道筋が見えてくる」とすぐには気づきにくい病気であるからこそ、認知度を広げて早期発見する大切さを訴えた。

 中島は撮影が終わってから病気に対しての意識について「本人が心地よい環境をつくれるようにしていきたい思いが出てきました」と変化があったことを明かし、「街に出ることが本当に大変なので、声をかけるだけでも良いし、手が必要だったら貸して、本人の状況を見てアプローチしていくのが一番だと思います」と熱弁。

 イベントの最後には「この作品を多くの人に見ていただきたいです。SMAと戦うことになった人にも、前を向いてもらいたい」と強く訴えていた。

 この日は、三ツ橋勇二監督、演技指導を行った下島直宏さん、東京女子医科大学・臨床ゲノムセンター所長の齋藤加代子氏も登壇した。