「令和初の献血」を呼びかけるボードを持つ男性=2019年5月1日午後1時41分、東京・秋葉原、長島一浩撮影

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 事故や手術の際に必要になる輸血。

 だが、血液型が合わないと拒絶反応が起き、命に関わる。カナダのブリティッシュコロンビア大の研究チームは、A型の血液を、拒絶反応の起きにくいO型に変える方法を開発した。世界的にはO型とA型が半分以上を占めており、将来、献血や輸血の幅が広がるかもしれない。

 輸血の目安となるABO式血液型は、赤血球の表面についた抗原という物質の構造の違いで4種類に区別している。異なる血液型が混ざると、組み合わせによっては抗原が攻撃されて赤血球が壊れてしまうが、O型の赤血球はもともと抗原を持たないため、どの血液型にも輸血できる。このため、多くの科学者が、世界的に多いA型の赤血球から抗原を取り除き、「万能血液」を作ろうとしてきた。

 研究チームは今回、A型の抗原と似た構造の成分を栄養源とする腸内細菌からDNAを切り出して、酵素をつくった。2種類の酵素を同時に使うと、少量でも効率よく抗原を赤血球から切り離すことができたという。酵素が抗原以外に影響を与える恐れもあるため、今後調べるとしている。

 論文は10日付の英科学誌ネイチャー・マイクロバイオロジー電子版(https://www.nature.com/articles/s41564-019-0469-7)に掲載された。(ワシントン=香取啓介)