町田署に入る関健次容疑者=13日、東京都町田市(上田直輝撮影)

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 東京都町田市の高齢者施設に入居していた関初枝さん=当時(69)=が殺害された事件で、警視庁が13日、殺人の疑いで逮捕したのは夫の関健次容疑者(71)だった。

 関容疑者は、体調を崩した妻の初枝さんと一緒に高齢者施設に入居。「おしどり夫婦」として知られていたが、「金遣いが荒い」(捜査関係者)とされ、事件後には海外旅行を繰り返していた。親族の男性は「あんなに仲むつまじかったのに…。2人に何があったのか」と話した。

 親族の男性によると、関容疑者は初枝さんの介護について不満を漏らすことはなく、昨春には肺の病気が進行した初枝さんを心配する姿も見せた。事件直後には、気落ちした様子で「葬儀をきちんとやってあげたい」と話す一方、今年2、3月ごろには、ベトナムやカンボジアへの海外旅行を繰り返すようになった。

 知人男性によると、夫婦は東京農業大学の同級生で学生時代から交際し、卒業後2年ほどで結婚。農薬販売の営業職だった関容疑者の転勤に伴い、札幌や福岡、大阪など全国各地を転々とした。初枝さんも鍼灸(しんきゅう)師の資格を取得し、平成2年には東京都内に整体クリニックを開業するなど活発に活動していた。

 夫婦は27年10月に町田市の高齢者施設に入居し、隣同士の部屋に住んでいた。一緒に犬の散歩をするなど仲の良さが際立ち、毎日のように夫婦で食事を取り、事件直前の昨年9月20日も食堂で初枝さんと夕食を共にしていた。

 ただ、夕食前には不審な様子が目撃されている。関容疑者は同日午後から施設内でマージャンをしていたが、ゲーム中に何度も携帯電話が鳴っても出ようとしなかったという。一緒に卓を囲んだ地元の女性は「全く電話に出ず、違和感があったことを覚えている。誰からの着信だったのだろうか」と振り返った。

 今年5月、女性が関容疑者と久しぶりに再会し、「奥さんが亡くなられて寂しいですね」と声をかけると、関容疑者は「いや、犬がいますから」と返答。ほどなくして、関容疑者は引っ越しをして、施設を出ていったという。