農業生産工程管理(GAP)を巡り、流通加工業者や消費者の認知度が伸び悩んでいることが農水省の調査で分かった。GAPを「知らなかった」とする回答は流通加工業者は5割、消費者は6割に上った。GAP認証を受けた農畜産物を「割高でも購入したい」とする消費者も2割弱にとどまった。GAPを農畜産物の付加価値とするには業者、消費者の認識をどう高めるかが課題となっている。

 調査は農家1121人、消費者903人、流通加工業者517人から回答を得た。

 流通加工業者は、50%がGAPを「知らなかった」と回答。さらに、GAP認証を得た農畜産物を「仕入れていない」が44%に上り、「取引要件として仕入れている」は2%にとどまった。

 消費者は、GAPを「知らなかった」が58%に上った。今後、GAP認証を受けた農畜産物を購入したいかどうかについては、通常の農畜産物と「同程度の価格であれば購入したい」が81%と大半を占めた。「割高になっても購入したい」は17%で、GAPの付加価値としての評価は低かった。

 生産現場でも、GAPの認知度は高まっていない。GAPを「知っていた」と答えた農家は全体の55%。「聞いたことはあるが内容は知らなかった」「知らなかった」では4割を超える。GAPを知っている農家でも45%は「取り組んでいない」としており、導入には課題が残る。

 同省は「GAPは持続可能な農業につながる。生産者や流通業者、消費者に利点を浸透させ、生産や流通の拡大を目指したい」(農業環境対策課)と話す。