55分から交代出場した小川。チームを救う2点目を叩き込んだ。(C) Getty Images

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 フランスで開催されている、“若手の登竜門”とも呼ばれるトゥーロン国際大会。現地時間6月12日に準決勝が行なわれ、2点ずつを奪い合ったのちのPK戦(5-4)の末、U-22日本代表がU-22メキシコ代表を破り、初の決勝進出を果たした。

 ラテン・アメリカメディア『BOLA VIP』のメキシコ版のジョアン・モントーヤ記者は、この試合について、こう綴っている。

「お互いに腹を探り合うような展開で、必要以上のリスクを冒していないように見えた。だが、その均衡を打ち破ったのは、メキシコのジーザス・ゴディネスの素晴らしい競り合いからの完璧なヘディングだった。(50分に)先制点を決め、メキシコは有利になると思われた。

 しかし、喜びは長く続かず、72分には1点を返された。86分にゴディネスと同じような形で、エドゥアルド・アギーレが頭で勝ち越しゴールを決めたにもかかわらず、89分には再び溜息をつくことになった。2度のリードを奪いながらも、アドバンテージを活かせなかったメキシコは、PK戦で5本すべてを成功させた日本に対し、1本の失敗で敗北を喫することになった」

 また、ラテン・アメリカ紙『Periodico Excelsior』は敗退に嘆きの声を上げている。

「メキシコは試合運びに失敗した。ゴディネスのゴールは、田中碧のクロスバーを直撃する強力なシュートの跳ね返りを押し込んだ相馬勇紀に帳消しにされ、交代で入ったアギーレの得点は小川航基によって振り出しに戻された。メキシコはアギーレが最後の最後に得たチャンスを活かしきれず、PK戦で痛恨の黒星を喫した」

 さらに、メキシコのラジオ局『TUROUESA NEWS』は「日本の対応は素早く、そして巻き返しは凄まじかった。彼らのおかげでメキシコはこのトーナメントに別れを告げることになった」と報じ、粘り強く追いついた日本を称えている。

 これまでどの世代も到達できなかったファイナルに駒を進めた若きサムライたち。6月15日23時(日本時間)にキックオフされる決勝の相手は、王国ブラジルだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部