空席が目立つ札幌ドームのスタンド(11日)

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 「なぜなのかわからないんですよ…」。日本ハムの球団関係者が、そう言ってため息をついた。

 11日現在、主催30試合の平均動員数は2万5550人。チームは首位楽天に0・5ゲーム差の2位タイにつけているが、本拠地札幌ドームのスタンドには空席が目立ち、最下位に低迷した2013年と同水準で推移している。

 原因として考えられるのは、23年に予定されている日本ハム球団の北広島市に建設予定の新球場への移転だ。地元放送関係者は「ドーム側の球団への対応がひどすぎた。出ていかれて当然」と指摘する。

 かねてから球団側は札幌ドームを運営する第三セクター「札幌ドーム株式会社」に対し、固い人工芝の改善や年間のリース代約9億円の値下げ、全てドーム側の収入となっている球場内の飲食、グッズ販売などの売り上げの分配を求めてきた。また、入場者数が2万人を超えた場合、そこから先は観客1人当たり400円の追加使用料が発生する。球団側は年間で合計25億円以上を札幌ドーム側に支払っていた。

 特に選手の足腰の負担が大きい人工芝への不満は大きく、この日栗山英樹監督(57)は「他球団もこの硬いところでやるのは大変だろうからね」とビジター球団を気遣い、対戦相手の広島側からも「この芝はいやだな…」との声が漏れた。

 札幌ドームのホームページには今年2月の改善実績として「当社計画よりも前倒しで人工芝を更新しました。新たな人工芝は、以前と同じ仕様ですが、人工芝の1ロール当たりのサイズを長くし、つなぎ目を少なくすることで、より良好なプレー環境を追求しました」と誇らしげに掲げられているが、不満の原因となっている芝の硬さは全く変わっていないというトホホな状況。

 「状況が全く改善されないことに愛想を尽かせた球団の流出を防げなかった、運営会社と天下り元の札幌市に対する市民の怒りは根深い。チームに愛着はあるが球場には拒否感すら漂っている」と前出の放送関係者。

 12日はドラフト1位ルーキー・吉田輝星投手(18)の1軍デビュー戦。前日の時点で3万人前後の動員が予想されていたが、やはり超満員とはいかないようだ。(片岡将)