橋本氏も18歳久保の鮮烈なA代表デビューに注目。あの「3年前の対戦」からどんな進化を遂げたのか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 今回は日曜日に行なわれた、日本代表対エルサルバドル戦の分析を試みます。
 
「ゲーム中の3バックから4バックへの移行」
「永井謙佑選手を中心とした、速さを重視したスタメン構成」
「これまでにない2ボランチの組み合わせはどうだったのか」
「代表デビューを飾った久保建英選手の出来」
 
 この4つのテーマについて私見を述べさせてもらおうと思います。
 
 まずひとつ目は、3−4−2−1のフォーメーション。
 
 全体的に安定した形で機能していましたが、残念ながらエルサルバドルとの間には力の差があり過ぎたように感じます。個の戦いで負ける場面がほぼなかった。なんとなくのポジショニングだったり、偶然にパスが繋がるような形からの危ないシーンは多少ありましたが、最終的にはゴールに向かってくる迫力がさほどなかったので、シュミット・ダニエル選手にしてみたら怖さはなかったと思います。
 
 59分に選手交代で4バックに変えましたね。とくにディフェンスラインのところでなにか問題があったわけではないのですが、少しラインの低さが気になりました。とりわけ中盤の、ボランチラインの押し上げが足りなかったように感じました。
 
 次は、速さを活かした攻撃。
 
 これはかなりハマっていたと思います。敵ディフェンスがずいぶん間延びしていたのもありますが、相手の最終ライン深くにある小さなスペースにボールを出してもギリギリ間に合うほどの速さ、がありました。
 
 裏のスペースを突く長短のパス。前線の永井選手、ウイングバックに配置された原口元気、伊東純也両選手も速さを存分に発揮していたと思います。ああいう風に共通したビジョンのなかで試みれば、十分にやれることが証明できた。大迫勇也選手や中島翔哉選手を中心とした攻撃のスタイルとはまた違う、新たなオプションの可能性を探れたと感じました。

 
 3つ目は、ボランチの連携です。
 
 攻撃面では、小林祐希選手の良さが出ていました。長短織り交ぜたパスでアクセントを付ける、持ち味が出ていたように感じました。橋本拳人もしっかり中盤のバランスを取り、ミスの少ないプレーで守→攻の切り替えを円滑に進めていました。
 
 守備のところでは、相手のミスに助けられた面はありましたが、的確にボールを奪えていました。ただ、先述しましたが、前線がプレッシャーに行った際の中盤ラインの押し上げが少し遅れていたのが気がかりです。最終ラインには安定感があったわけですから、もっと彼らを信じて思い切って、それこそ相手ボランチのところまで飛び出してもよかったのではないかと思います。
 最後の4つ目は、久保選手です。触れないわけにはいかない話題ですね。なにせ彼のデビュー戦で、僕は対戦相手として同じピッチに立っていたのですから(編集部・注/2016年11月5日、J3のFC東京U-23対長野パルセイロ戦)。
 
 あの対戦したときに感心したのは、彼の数手先を見る視線、姿勢です。試合では周りのレベルもあって、彼自身の考えていることがなかなか周りに伝わらなかった。でもこのレベルになってくると、感じ取ってくれる選手がたくさんいます。今後も代表でのコンビネーションはますますスムーズになっていくでしょうし、実際にそれを予感させるシーンが何度かありました。
 
 FC東京で一緒にやっているメンバーが多くいたというのもあるでしょうが、ポジショニングをすごく意識しているように感じました。身体の強さもここ1年でグンと上がったように感じます。
 
 ただ、南米選手権(コパ・アメリカ)ではいままでとは違う、激しいぶつかり合いが待っています。そのなかで怪我をせず、持ち前の巧みな身のこなしを活かしてプレーしてほしい。まだまだカラダは変わっていく、成長していくはずです。だからこそここから先は、相手の削りから身を守る方法を身につけて、成長に繋げていってほしいです。