【岩政大樹】“3バックの導入”と”久保建英の出現”で停滞感を払拭。テストは思惑通りに進行した
エルサルバドル戦で見せたような攻撃の形を再現するためには、ウイングバックに原口選手、伊東選手のような、走れて、仕掛けられて、守備に奔走できて、かつサイズのある選手が必要となりますが、そうした人材は若手を含めて豊富とは言えません。
3−4−3で森保監督が求める各ポジションの役割とここまで主力としてきた選手の特徴が現時点ではマッチしていないポジションもあります。また、久保選手が入ることでパスのルートが変わって、日本の左サイドよりも右サイドからの展開が増えた時の立ち位置や役割の微調整が必要ですし、アジアカップで見られていた4バック時の守備の課題は、3バックへのトライにより、うやむやになったようにも見えます。
これらは今後注視していかなくてはならないでしょう。
早速コパ・アメリカが差し迫っています。守備のプレスがうまくかからない相手、試合状況も十分に考えられますし、そもそも原口選手と伊東選手はコパには参加しません。
エルサルバドル戦の快勝の余韻は、少なくともコパ・アメリカに行く時には日本に置いていった方が良さそうです。
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとし2007年から前人未踏のJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は解説者として活躍中。