「臭う汗」と「臭わない汗」の違いとは

2019/06/08 04:58 ウェザーニュース

昨日7日(金)に関東甲信、東海、北陸、東北南部が梅雨入りし、いよいよ本格的な梅雨を迎えます。湿度が高い梅雨時期はジメッとした暑さによるベタつきと臭いが気になります。ウェザーニュースでは「汗による臭い対策をしていますか?」という調査を実施しました(2019年5月27〜28日実施、8868人回答)。結果は「対策している」の回答が多く、約6割となっています。次いで多いのが、「必要だがしていない」で約3割。「必要ない」という人は少数派のようです。

男女別で詳しく見ると「対策している」人は男性よりも女性のほうが2割も多くなっています。女性は汗の臭いにより敏感に反応するようです。「汗が臭うというのは、上手に汗をかいていないということ」と臭いと汗の専門家である五味クリニック院長の五味常明先生はいいます。臭う汗と臭わない汗の違いについて、教えていただきました。

汗は本来ほぼ臭わない

汗の臭いの原因は、汗のメカニズムと関わっているといいます。「人が汗をかく目的は体温調節です。人の体、特に脳は熱の変化に弱いので、体温が上がれば下げる必要があります。汗をかくと、皮膚の上で汗が蒸発するときの気化熱により体温を下げます。汗の原料となるのは血管から供給される血液です。汗腺が、血液から血球などを除いた血漿(けっしょう)を元にして汗を作ります。血漿には、ナトリウムやカリウムなどのミネラルや、臭いのもととなるアンモニア、乳酸なども含まれますが、汗腺ではこれらをろ過して血液に戻します。ですから理想的な汗とは水のような汗で、さらりとしていて蒸発しやすく、臭いがほぼないのです」(五味先生)

臭い汗の原因は?

汗をかいたまま放っておけば、皮膚の上の雑菌が繁殖して臭いが出てきますが、これはこまめにふくことなどである程度は防ぐことができます。しかし、やっかいなのは血液中に臭いのもとが増えてしまうことです。「肥満の人の場合、脂肪がいわば断熱材となって熱をため込むため汗をかきやすくなることに加え、脂肪細胞から臭いのもととなる脂肪酸が分泌され、血液中に多く含まれます。また、炭水化物を摂らず肉類ばかり食べる極端な糖質制限ダイエットも、臭い汗をかきやすいといいます。たんぱく質を分解するときに出るアンモニアで体臭が強くなるのに加え、血液中にケトン体が増えます。ケトン体は果物が腐ったような臭いで、汗が臭くなる原因です。糖尿病の人も、血液中のケトン体が増えます」(五味先生)

汗をかきにくい現代人の汗は、臭いやすい!?

現代の生活も、汗が臭いやすい要因だといいます。「交通機関の発達やエアコンの普及などにより、汗を上手にかけない人が増えたからです。汗腺というのは、筋肉と同じで使わなければ衰えてしまいます。汗腺というのは人体のなかでも新しい器官であり、機能が落ちやすいのです。再吸収がうまくできないと、成分を多く含んだ濃度の濃い汗をかきます。汗が大粒になり蒸発しにくいので、より多くの汗をかかないと、体温を平熱に戻せません。臭いのもととなるアンモニアや、雑菌のエサとなる乳酸なども多く、臭くなるというわけです」(五味先生)大量の汗をかくときも、臭う汗となりやすいといいます。「ドッと汗をかく場合、汗腺でミネラルなどの再吸収を十分に行う時間がなく、濃い汗となりやすいのです。エアコンで冷えた部屋から、急に暑い外に出たときなどですね。また、緊張などから汗をかく精神性発汗や、更年期多汗症なども同様です。また、加齢とともに下半身にあまり汗をかかない人が増えますが、上半身の汗腺だけで汗をかかなければならないため、臭い汗をかきやすくなります」(五味先生)

汗をかく機会を増やそう

臭い汗をかかないようにするためには、汗腺を鍛えて上手に汗をかけるようにすることです。「有酸素運動や、お風呂での汗腺トレーニングなどで汗をかくことが大切です。このとき、汗をたくさんかく必要はありません。前述したように、汗というのは蒸発して体温を下げるためのもの。流れるほどに汗をかくのは無駄で、触ったとき肌がしっとりして蒸発しているのが良い状態です。汗をふくときは汗を少し残すか、濡れタオルなどでふくとよいでしょう。エアコンの設定温度を下げ過ぎず、出かける前は早めに切るなどして温度変化を緩やかにするなども、上手に汗をかくコツです」(五味先生)よい汗をかくことで、爽やかに過ごしたいものです。