米フロリダ州マイアミの店頭に並んだ殺虫剤(2016年8月9日撮影、資料写真)。(c)Kerry SHERIDAN / AFP

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【AFP=時事】米国で1年間に使用されている農薬の25%以上は、欧州連合(EU)では使用を禁止されているものだと指摘する論文が6日、学術誌「エンバイロメンタル・ヘルス(Environmental Health)」に掲載された。

 世界の農薬使用量の大半は米国、中国、ブラジル、EUが占めているが、この3か国とEUについて除草剤、殺虫剤、防カビ剤などの使用量を調査したところ、2016年に米国で農薬への使用が許可された化学成分374種のうち、72種はEUで使用が禁止されているものであることが分かったという。中でもパラコートやホレートは「毒性が強い」などとしてEU、ブラジル、中国では禁止、あるいは段階的に廃止されている。

 米国の非営利環境団体「生物多様性センター(Center for Biological Diversity)」の科学者で論文執筆者のネイサン・ドンリー(Nathan Donley)氏は、米国で1970年に創設された環境保護局(EPA)について「殺虫剤規制を迅速に導入して、DDTを含む多くの殺虫剤を使用禁止にした」点を評価し、「当初は非常に優れた規制機関だった」と語った。このため、いまだに多くの米国人が、米国には非常に実用的で環境保護に優れた規制機関が存在するとの固定観念にとらわれており、実際には農薬規制の分野で米国が大きく後れている事実が理解できていないと、ドンリー氏は指摘する。

 ドンリー氏によれば、EPAの欠陥は民主党や共和党の政治力の問題に起因するものではない。同氏は責められるべきはEPAの殺虫剤部門だとし、EPAの予算決定権を握る議会に対する農業界や殺虫剤産業によるロビー活動の影響力が強すぎると苦言を呈した。

【翻訳編集】AFPBB News