主力を酷使した影響は出てしまった

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 U-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でU-20日本代表はU-20韓国代表に0-1で敗れ、大会から姿を消した。後半5分にMF郷家友太(神戸)がゴールネットを揺らしたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入により、2分後に得点は取り消された。5バックで引いて守る韓国から前半のうちにゴールを奪えず、後半の決定機も決め切れなかった。

 最後はDF菅原由勢(名古屋)のミスが失点につながったが、それまでに攻撃陣に得点が生まれればあのプレーで敗退は決まらなかっただろう。5月31日にFW田川亨介(FC東京)とMF斉藤光毅(横浜FC)が揃って負傷離脱し、日本は19人で決勝トーナメントに臨んだ。A代表に招集された久保建英(FC東京)、安部裕葵(鹿島)、負傷離脱した滝裕太(清水)を呼べなかったうえに、2人を欠く状況に陥った。

 影山雅永監督はグループリーグ首位通過を目指し、イタリア戦で主力を温存しなかった。2トップで先発した田川と斉藤が揃って負傷交代する異例のアクシデントが生まれたのは、中2日の3連戦すべてに先発した疲労の影響があったはずだ。特に田川はFC東京で満足な出場時間を得られていなかっただけに、前半20分のスプリントで右ハムストリングスの肉離れを起こした。“たられば”は禁物とはいえ、すでに突破を決めていたイタリアが先発9人を入れ替え、引き分けを狙った試合だったため、日本もターンオーバーしていれば韓国戦には2人が万全な状態で臨めたに違いない。

 中5日の日本に対して中3日と日程的に不利だった韓国を、2人がいなくても苦しめていただけに、体が強く、スピードある裏抜けで何度もゴールに迫っていた田川、鋭いドリブル突破でチャンスを生む斉藤がいればゴールが生まれる可能性は高くなっただろう。ただ、さらに言えば、久保ら攻撃陣を招集できていれば2人を酷使し、一気に負傷離脱させる最悪な事態を招くこともなかった。

 コパ・アメリカの体制がなかなか決まらず、久保、大迫敬介(広島)、安部がA代表に引き上げられると正式に決まったのは大会直前だった。16強敗退が決まったあと、誰よりも明るく振る舞ってきた菅原は「主力が抜けたこととか色々なところから声が聞こえてきて、正直僕たちの中にも多少不安はありましたし、そういうプレッシャーと戦ってきた」と明かした。

「全員がそのプレッシャーに打ち克ったことによっていいゲームができたと思うし、日本サッカーがここまでできる、世界を相手に負けなしでグループステージを突破できることも見せられたと思いますけれど、こういうところ(決勝トーナメント1回戦)で勝ち切れないことは力不足だと思う。ここを突破できなかったのが今のレベル。本当に悔しいということしかない」(菅原)

 もちろん、対戦したイタリアもそうだったように主力をU-20W杯に招集できないのは日本だけではないが、韓国のようにA代表クラスを含めたベストメンバーを集めたチームもあった。大会直前に、中心選手を協会側の事情でこの6月にA代表に引き上げた判断は結果に少なからず影響しただろう。ただし、メキシコ戦の3-0快勝などグループリーグ無敗突破の快進撃は、結束した選手と監督スタッフの力だった。

(取材・文 佐藤亜希子)