韓国に敗れた日本

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 U-20ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でU-20日本代表はU-20韓国代表に0-1で敗れ、大会から姿を消した。明確な戦略を持って臨んだ韓国に対して、日本はその出方を理解しつつも後手に回った。試合後、記者会見で影山雅永監督は言った。

「我々が、というよりも、韓国が様々な戦略をもってこの試合に臨んできた。我々はその変化を感じながら前半と後半、対応していった。だけど点を取れなかった。そんなゲームだったのかなというふうに思います」(影山監督)

 グループリーグ第3戦から中5日あった日本に対して、韓国は中3日と日程面にアドバンテージはあった。スタートは5-3-2、途中から5-4-1で自陣に引いてブロックを作る韓国は、後半勝負をかけるために前半を0-0で終えるプランを遂行した。前半72%の保持率だった日本はその前半に攻めあぐね、無得点で折り返したことが最後は響いたと言える。

 迎えた後半、韓国は頭から投入したFWヨム・ウォンサンを右サイドに配置した4-4-2にシステムを変更すると、圧力をかけて攻め込んできた。それでも“先手”を取ったのは日本で、後半5分、MF郷家友太(神戸)が左足ボレーでゴールネットを揺らした。一度は歓喜を味わったが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入でオフサイドが認められ、ノーゴールの判定。Jリーグでは未経験のテクノロジーの影響で日本に動揺が走った。

 勢いを削がれ、韓国のプレッシャーに直面した日本は、今大会で反省材料にしてきた「エクアドル戦前半」さながら、蹴り出す場面が増えていった。「自分たちがしっかり繋いで、形を作ってローテーション組んでっていうところ、やってきたことがうまく表現できなかった」とMF山田康太(横浜FM)が振り返れば、DF菅原由勢(名古屋)も「ロングボールが多い展開になってしまった。中ではもっとボールを繋ごうという声も掛けていましたけれど、どうしても距離感が悪くなってしまった」と振り返った。

 同じ反省をゲームメーカーMF藤本寛也(東京V)も口にした。

「ビルドアップの部分で相手が後半に入って前から来るにようになって、(日本は)つなぐ意識を持っていたけど、蹴る回数が多くなった。あのような場面でもビルドアップをしていくことが一番重要だったと思います。日本らしいサッカー、下で繋ぎながら崩していく。どんな相手でも、後半に戦術を変えて来たとしても、自分たちが変わるべきではなかったと思いますし、それが主導権を握れなかった後半の原因だと思います」(藤本)

 0-0のまま終盤を迎え、後半39分、菅原のパスミスが失点に直結した。「最後に綻び(ほころび)が出てしまった」と影山監督は言ったが、ほかの場面にもミスが見えただけに、試合の中で修正できなかったことも敗因の一つだろう。交代策で流れを変える手もあったはずだが、失点後と後手に回り、後半43分の2枚替えは少し遅かった感もある。

 とはいえ、流れが悪くても日本はゴールに迫っていた。後半33分、34分に立て続けにチャンスを迎え、FW宮代大聖(川崎F)が放った決定的なシュートは左ポストを直撃した。「点を取ったチームが勝つのがサッカー。点を取れなかった僕らが負けて、点を取った韓国が勝った。本当にシンプルなゲーム」という主将のMF齊藤未月(湘南)の言葉通り、チャンスを仕留めていれば、「綻び」があっても勝者にはなれた。

(取材・文 佐藤亜希子)