東京競馬場におけるGI5週連続開催は波乱の連続で幕を閉じた。GI日本ダービー(東京・芝2400m)は、断然の1番人気だったサートゥルナーリアが4着に沈み、12番人気のロジャーバローズが大金星をゲット。先週のGI安田記念(東京・芝1600m)では、「2強」と言われたアーモンドアイとダノンプレミアムが敗れ、4番人気のインディチャンプが見事な勝利を飾った。

 そんなGI戦がひと休みとなるなか、今週はGIIIマーメイドS(6月9日/阪神・芝2000m)が行なわれる。そして同レースも、波乱続きのGI戦と同じく大荒れの可能性を秘めている。

 というのも、マーメイドSは”荒れる重賞”のひとつとして有名だからだ。

 過去10年の結果を見ても、10番人気以下の穴馬が馬券圏内(3着以内)に飛び込んできたことが7度もあり、3連単の配当はすべて万馬券。そのうち、7回が10万円超えの高配当となっている。昨年も、10番人気のアンドリエッテが優勝し、3連単は26万3970円という高配当をつけた。

 とすれば、今回も穴狙いに徹したほうがいいだろう。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで波乱を起こしそうな激走馬をあぶり出してみたい。

 過去の成績を見ると、オープンクラスのひとつ下、3勝クラス(旧1600万下)の馬でも十分通用していることがわかる。

 先述したアンドリエッテは、マーメイドSの前に3勝クラスを3戦して、6着、8着、3着と足踏みしていた。2015年に8番人気で勝利したシャトーブランシュも同様だ。前年9月に2勝クラス(旧1000万下)を勝ったあと、そこから3勝クラス、さらには重賞でも奮闘しているものの、勝ち星を得るまでには至っていなかった。

 この2頭の例から、3勝クラスで足踏みしている馬が狙い目とみる。しかもこのレースはハンデ戦で、3勝クラスを快勝して人気になりそうな面々に比べて、斤量面で恩恵を受けるのも好材料となる。

 今年、こうしたタイプで浮上するのは、クィーンズベスト(牝6歳)とサラス(牝4歳)だ。

 クィーンズベストは、3勝クラスで2戦連続2着。サラスは、同クラスを3戦して3着2回という実績があるが、このクラスを抜け出せずにいるため、重賞のここではさすがに上位人気は見込めない。それでも、過去の例からして、チャンスは大いにある。

 補足を加えれば、前走は2頭とも3勝クラスのパールS(5月4日/京都・芝1800m)に出走。勝ち馬スカーレットカラー(牝4歳)から、クィーンズベストはコンマ3秒差の2着、サラスも同3着に敗れたが、前述のとおり、今回は斤量面で有利になる。

 斤量53kgのスカーレットカラーに対して、クィーンズベストが52kg、サラスは51kg。オープン入りを決めたスカーレットカラーが人気も背負うことを考えれば、気軽な立場で臨めるクィーンズベストとサラスに逆転の目は十分にある。無論、他の人気馬とも互角に渡り合っても不思議でない。

 3勝クラスで足踏みしている馬でも勝ち負けを演じられるのは、まさしくハンデ戦ゆえの特性だが、マーメイドSではそうした3勝クラスの馬よりさらに軽い斤量、たとえば2勝クラスを勝ち上がったばかりの馬も、過去には何度も台頭している。

 2012年に7番人気で2着に入ったクリスマスキャロル、2014年に13番人気で2着に突っ込んできたコスモバルバラらがいい例だ。ともに前走で2勝クラスの条件戦を勝ち上がったばかりだったが、いずれも50kgという軽ハンデを生かして好走した。

 そして、今年も2勝クラスを勝ち上がったばかりの馬が2頭出走する。ダンサール(牝4歳)とレッドランディーニ(牝4歳)である。


2勝クラスを勝ち上がったばかりでも侮れないダンサール

 普通に考えれば、2勝クラスを勝ち上がったばかりで、いきなりの重賞挑戦になると、さすがに厳しい。おかげで、人気薄の存在となるが、過去の結果が示しているとおり、そうした馬でも軽ハンデを利して上位に飛び込んでくることが多々ある。

 実際に今回も、ダンサールとレッドランディーニは51kgという軽ハンデで挑む。どちらも伸び盛りの4歳馬で、ダンサールは前走、2着以下に3馬身半差をつけての快勝劇を演じた。一方のレッドランディーニも、前走では上がり33秒0の末脚を披露し、内容の濃い勝利を飾っている。この勢いある2頭の一発に期待してみるのも悪くない。 GIシリーズと同じく、波乱の決着になりそうなマーメイドS。ここに挙げた4頭の中に、GI戦以上の高配当をもたらしてくれる馬がいるかもしれない。