スタッフの肩を借りて、痛々しくピンチを去って行ったネイマール。 (C) Getty Images

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 来る15日にブラジルで開幕するコパ・アメリカ。その主役候補が大会直前に緊急事態に見舞われた。

 現地時間6月5日に行なわれたカタールとの親善試合でブラジル代表FWのネイマールが負傷し、試合中にベンチを去ったのだ。

 ホスト国として優勝が至上命題のセレソンにとっては痛恨だろう。この試合でリシャルリソン、ガブリエウ・ジェズスとともに3トップの一角を担ったネイマールは、21分に相手のタックルを受けて右足首を負傷。そのまま交代を余儀なくされた。

 地元の複数メディアによれば、足首をアイシングし、スタッフの肩を借りながら控室へと下がっていったネイマールは涙を流していたという。
 
 周知の通り、ネイマールは今月1日に性的暴行疑惑が浮上し、スキャンダルに揺れてもいた。本人はSNSで訴えを起こした女性とのやりとりを公表し、身の潔白を主張したが、世間に自らの醜態をさらしたエースの心中が穏やかではないのは確かだ。

 実際、ブラジル・サッカー連盟(CBF)のフランシスコ・ノベレッテ副会長は、「とてもじゃないけれど、今の彼の心理面ではコパ・アメリカなんて無理だ。“ジャーナリスト軍団”に身をさらせる状態じゃない」とコパ・アメリカから離脱させることを示唆していた。

 そんな中で起きた今回の負傷を受け、CBFは公式サイトで、「右足首の靭帯断裂に関する精密検査を受けた」とし、欠場する可能性が高いことを明らかにした。

「怪我の深刻さからネイマールコパ・アメリカまでに回復するための十分な時間はない。よって我々は今週の木曜日中にテクニカルスタッフたちで会議を開いて、代役を探す」

 離脱が決定的となったネイマール。大黒柱を失ったセレソンは、一体誰を代役に据えるのか? 間近に迫ったコパ・アメリカ開幕を前にサッカー王国が揺れている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部