左ウイングバックで先発したDF長友佑都

写真拡大

[6.5 キリンチャレンジ杯 日本0-0トリニダード・トバゴ 豊田ス]

 もっと難しい試合になることを覚悟していた。森保ジャパンとしてA代表で初めて3バックを採用。左ウイングバックで先発した日本代表DF長友佑都は「3バックに対して、いいイメージがなかった」と率直に認める。「代表で3バックというのはザッケローニさんのときもやったけど、全然ハマらなくて、(当時は)僕も混乱していた」。アルベルト・ザッケローニ元監督時代、4-2-3-1と3-4-3の併用を目指し、何度か親善試合で3バックをテストするも、最後までチームとして機能しなかった苦い記憶があった。

 だからこそ、「今日は難しい試合になると思っていた」が、「DFラインは集中していたし、みんなが相手の嫌がることをやっていた。(中島)翔哉と(堂安)律のところにいいボールが入っていたし、決められなかったことだけが大きな課題だった」と、守備ではほぼ相手にチャンスをつくらせず、攻撃でもシュート25本を浴びせた。

 個人的には左シャドーに入ったMF中島翔哉を生かすポジショニングを意識した。「相手のサイドバックに僕を気にさせて、(中島)翔哉に付かせない。翔哉をフリーにすることが大事」。実際、特に前半はその中島から何度もチャンスをつくり、中島自身もシュート7本を打った。「言っても前は3枚しかいないから、個人で打開しないといけない。世界レベルで見ても(中島)翔哉はやれる選手だと思う」と、そのプレーを素直に称えた。

「前にプレッシャーをかけるのか、後ろが危ないから下がるのか、中途半端なポジショニングで相手を混乱させるポジションを取るのか。考えながらやっていたので、脳が疲れた。4バックは分かりやすい。自分のポジションに戻って守るだけなので。でも3バックのウイングバックは、僕らのポジションでチーム全体が狂うことになる」

 試合全体をそう振り返った長友は今後のW杯予選に向けて「オプションを持っていることが間違いなく強みになる」と、3バック挑戦を前向きに捉えたうえで、結果として無得点に終わったことには「0点という結果は重く受け止めないといけない」と指摘。相手GKが好セーブを連発したとはいえ、W杯予選でも引いた相手を攻めあぐねる展開は容易に想像がつく。

 決定力不足解消の方法を聞かれ、「神様に聞きたいぐらい」と苦笑いを浮かべた32歳は「根性論ではうまくいかない。精度を上げるための努力を一人ひとりがしないと。あれだけチャンスをつくって0点。クリスティアーノ・ロナウドだったりトッププレイヤーなら決めている。一人ひとりが厳しい環境でチャレンジしていくしかない」と力説した。

(取材・文 西山紘平)