東洋動画で作っている「白蛇姫」はスケールの大きな幻想的なストーリー。なつ(広瀬すず)はうっとりしながらその日も作画課に向かう。すると、下山克己(川島明)が戦う兵士の絵を描いていた。

なつ「白蛇姫って、悲しい話なんですね」

下山「だから、戦うシーンは、より面白く描きたいんだよね」

なつ「私もいつか描いてみたい」

下山「描いてみる?」

そういって下山は紙を差し出す。

下山「僕は、家で毎日のように描いているんだ。ゴミ箱から先輩が書き損じた絵を拾って、模写するといいよ」。

それを聞くと、なつもゴミ箱の絵を探しはじめた。

大沢麻子(貫地谷しほり)が、堀内幸正(田村健太郎)に動画紙を突き付けた。

麻子「やっぱりダメです。やり直してください。表情が死んでるように見えるんです」

堀内も言い返すが、大沢の言葉に押される一方だ。

麻子「もういいです。ここは私がやります」

なつは、勉強のために先輩が捨てた動画紙をゴミ箱から拾った

そういって動画紙をたたきつけるように置いて席に戻った。堀内はやけくそになって、ゴミ箱に動画紙を投げ捨てる。なつは、すかさず拾って自分のカバンにしまった。

なつが、拾った動画紙を眺めていると、大沢が近づいてきて、いきなり激しい剣幕でまくしたてた。

麻子「なんなの、あなた? 結婚相手をここに探しに来ているんでしょ。そんなお洒落ばっかりに気をつかって。目障りだから私の近くをウロチョロしないでちょうだい」

そう言い捨てると、さっさと行ってしまう。

なつ「はあ、なんだべ? 今の...」

なつは、初めて職場のイヤな人間関係を見た。「風車」に帰ると、客でいっぱいだった。

なつ「ただいま」

亜矢美「どうしたの? そんな怖い顔して」

なつ「私、怖いですか? そんなにわかりやすいですか?」

奥の部屋に入ろうとするなつを、茂木社長(リリー・フランキー)が呼び止める。

茂木「なっちゃん、男が美人と接した時に冷たく感じるのは、自分がどう思われているか気になり過ぎて、おびえているからなんだ」

なつ「私は、美人ではないし...男ではありません」

茂木「女か、その人は美人か?」

なつ「はい、美人です」

茂木「それなら、なおさら。自分がどう思われているか、君を通して気になっているんだ。それに君が美人ではないというのは大きな勘違いだ」

亜矢美「その子を口説くようなら出入り禁止ですよ」

茂木「口説きたいのは女将だけだ」

なつは、大人のやりとりについていけずに奥の部屋に下がった。なつは、自分の机に向かって拾った動画紙をじっと見つめる。白娘(ばいにゃん)がうつむいて泣き伏せるカットだった。なつは、堀内と自分のことを怒鳴りつけた大沢の表情を思い浮かべた。

なつ「人の顔って面白い」

そして、一心不乱に白娘の表情の絵を描き続ける。(NHK総合あさ8時)