アサヒビールの「あゆ」さん【写真:福谷佑介】

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大学入学前の昨季開幕前に売り子に 2年目にして自己最高225杯を記録

 スタジアムでの野球観戦、そのお供として楽しみにしている人が多いのが、冷えたビールだ。暑くなるこれからの季節、その味わいは一層美味しいものとなる。そして、そのビールに欠かせないのが、スタジアムの“華”として日々、汗を流して働いている各ビールメーカーの売り子たちだ。10キロを超えるビールのタンクを背負い、階段ばかりの球場内を歩き回るのはかなりの重労働。日本独特の文化で、実はスタジアムを訪れる外国人観光客からの注目度、人気も高い。

 福岡ソフトバンクホークスの本拠地ヤフオクドームで働く売り子たちもまた、それぞれに人間模様がある。“美女どころ”と言われる福岡の売り子を紹介する人気企画「福岡発 売り子名鑑2019」。彼女らの奮闘を知っていただき、球場での観戦の楽しみの1つとしてもらえたら幸いだ。

 第7回はアサヒビールの「あゆ」さん、だ。三塁側内野席を主な持ち場として働く彼女。まだ19歳、売り子になってまだ2年目ながら、スタンドでパッと目を引く魅力を秘める美女売り子だ。

 大学入学を前にした昨季の開幕前に売り子となった「あゆ」さん。「テレビとかで見てキラキラしてて楽しそうだなと思い興味はありました。色々調べている間に、この『売り子名鑑』も見させていただきました。1人じゃ難しいかなと思っていたんですが、友達も『興味がある』と。それで始めましたね。いつか出たいと思っていたので嬉しいです」。2年目にして、225杯の自己最高記録を持つトップ売り子の1人になった。

 売り子に惹かれた要因はどこにあったのか。「テレビで見ていて楽しそうだなというのもありましたし、他の子と少し違うことをしてみたいというのもありました」。とはいえ、最初はその厳しさに面食らったという。「いや、もう、本当にシンドかったです。私、スポーツをあまりしたことがないんです。高校は帰宅部でしたし、運動してなくて。いざやってみて、いきなり膝を痛めてしまいました」。始めて2か月ほどした時に膝を故障。まともに歩けない状態になった。

 自分自身にショックだったという。「一緒に入った子たちは怪我もせずに売っているのに、自分はなんでこんな風になったんだろう、と思うこともありました」。ただ、そこで折れなかったのが「あゆ」さんの根性とでも言うのか。「痛め止めを打って働きました」。無理してまで働いたのは何故か? 「1日でも休むとランキング下がってしまうし、新人枠でランキングに入りたくて、同期の子たちにも負けたくはなくて。必死に入っていましたね。体力はないけど、膝引きずりながらやってました」。元来、負けず嫌いだという「あゆ」さん。売り子には、掻き立てられる魅力があった。

「売れる人は見たら分かる。やっぱり目立つ子から買いたい」

 小学校から高校までソロバンに通い、珠算、暗算ともに三段の腕を持つ彼女。そこに没頭したキッカケも「兄も入っていて凄かったので、それに負けないようにと」というもの。そんな「あゆ」さんが目指す姿が「振り向いた時にオーラがある売り子になりたい」のだという。

「1年売り子をやってみて分かったのは、売れる人は見たら分かる。この人は売れるだろうなと思ってみたら、たいてい売れている。スタンドに来られているお客さんは十何年と球場に見に来ていらっしゃる方もいますよね。そういう人たちは何百人もの売り子さんを見てきている。そうなると、やっぱり目立つ子から買いたいんじゃないかな、と。オーラのある売り子になることを目指しています」

 スタンドを闊歩する姿には既に“オーラ”を感じるが、本人は「まだまだです」という。「今はとにかく自分の自己新を伸ばせるようにとだけ考えてやっています。去年よりは最高記録を伸ばしたいですし、1人でも抜けたらいいなと思っています」。その美貌からは、想像できないほどの“闘志”を秘める「あゆ」さん。今後の成長、活躍に大いに期待を持たせる美女売り子だ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)