【7.13】プロレス大好き芸人たちによる真夏の祭典『プロレス者の集い #10』in 阿佐ヶ谷ロフト

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今年の1月11日に阿佐ヶ谷ロフトで行われた『プロレス者の集い』トークライブは、冬の寒さを忘れさせるような熱気と共に幕を閉じた。あれから早くも数ヶ月、元号も変わり、早くも夏のような暑さが訪れている。そんな中、次回の『プロレス者の集い』の開催日が決まったという一報が入ってきた。

今回で第10回目という大台に乗り、ますます注目度を増している彼らは、一体どこへ向かおうとしているのか。プロレスを愛してやまないお笑い芸人であり、同トークライブの主催でもあるジグザグジギー宮澤聡さんを始めとする3人にお話を伺った。

―――前回(第9回)は会場で観させて頂きました。予想を遥かに越える大盛り上がりでした。

森一弥(以下、森):客席もかなり豪華でしたからね。 ジグザグジギー宮澤聡(以下、宮澤):鈴木秀樹さんと松永光弘さん。松永さんはトークにも参加してもらいましたね。

―――あれは(台本的な)流れがあったんですか?

宮澤:一応、何かしらの形でお話を振ろうとは考えていました。それで、ライブ中の「プロレスあるある」のコーナーの中で「デスマッチあるある」というお題が出たので、「よし、ここだな」と思って。でも、本当に良い話を聞かせて頂けましたね。

青木泰寛(以下、青木):裏話も出ましたからね。

宮澤:画鋲デスマッチの1万個、2万個って、僕らからしたら同じような数に思えるけど、やっている当人たちからしたら痛みが全然違うそうなんです。だから、伊東竜二選手の(画鋲)20万個っていうのは、ちょっと想像ができないぐらいスゴい、という話が衝撃的でしたね。

森:プロレス業界でも、このライブの認知度がぐっと上がってきましたよね。前回は小橋さん(小橋太っ太)が初めて小橋建太以外のコスプレをしてライブに登場したんですけど、そのことをご本人からイジられてましたからね。

宮澤:「これから君は丸藤をやるのね」「いやいや、違うんです!」みたいな。そうしたら、丸藤さんまで会話に入ってきて、「だから言ったじゃないですか」とか。本物のプロレスラーたちがプロレスのトークライブを話題してくれるって、想像もしてなかったですよ。

―――前回(1月11日)のライブが終わってから、かなり早いタイミングで次回の開催が告知されました。

宮澤:開催の発表がどんどん早まって来て、総合格闘技の大会みたいになってきてますよね(笑)

森:続々と選手も決まってね。

宮澤:出演者へのオファーは3月でしたね。それに合わせて情報も解禁しました。というのも、会場(阿佐ヶ谷ロフト)も人気の会場なので、なるべく早くじゃないと金土日の週末を抑えられないっていう理由があるんです。それに、どうせ抑えるんだから、早く発表しちゃった方が予定も立てやすい。

―――前回は何人ぐらい来場されたんですか?

宮澤:90人ぐらいですかね。一応、会場からは「100人でマックス」と言われているんですよ。100人が予約した段階で止める、と。もっと詰めればそれ以上入るらしいんですけど、飲食しながらのトークライブですので、あれくらいは余裕がないと厳しい。

青木:過去最高ですよね。1回目が5人とかだったから、単純計算で18倍ですね……(笑)

森:すげえ。旗揚げの時って、お客さん5人だったんだ?

青木:出演者の方が多かった。

宮澤:多かったですね。見ているお客さんも、僕ら芸人のファンなので、プロレスのことを知らない人が多かった。下手したら、プロレス好きなんか1人もいなかった可能性もありますね。

森:5人からスタートしたんだ。新生UWFより少ないんだね。

宮澤:そうなんですよね。

青木:『プロレス者の集い』では、出演者が入場の時にプロレスラーのコスプレをするのが恒例になってるんですけど、最初の頃はまだ(コスプレを)やっていなかったんです。初回の時、僕は「レッドブル軍団のテーマで中々出てこない」みたいなボケをやったんですけど、その時は信じられないぐらい滑ったんですよ……(笑)

(レッドブル軍団:80年代後半に新日本プロレスに参戦したソ連人レスラーたちによるユニット。入場曲は、やたらとイントロが長い)

宮澤:プロレスファン相手じゃないと伝わらないボケですからね。

―――今回のトークライブは「10回目」ということで、ひとつの節目を迎えることになりますね。

森:完全に記念大会ですね。

―――第1回目の時は「10回もやる」と思っていましたか?

宮澤:いや、思ってなかったですね。お客さんも5人だったし。……でも、その5人だけでもめちゃくちゃ盛り上がった。

青木:楽しかったですよね。

宮澤:元々は、僕がお笑いのライブを同期とやっていて、そのライブの昼の時間が空いてたから、「その隙間を使ってちょろっとやる」ぐらいのつもりだったんです。けど、その自主ライブが最終回を迎えて「じゃあ、プロレスの方はどうする?」となった時に、阿佐ヶ谷ロフトに進出することを決めたんです。

今までは、お笑いのライブの為に会場を借りていて箱代も掛からないからついでにやれたけど、これからは改めて場所を借りないといけない。正直「どうしようかな」と思った時期もありましたけど、今となっては、あのタイミングで辞めてしまわなくて本当に良かったと思います。

宮澤:お客さんも、僕らもそうなんですけど、ずっと頭の中で「お酒を飲みながら(トークライブを)やりたいな」っていう思いがあったんです。前までは新宿の普通の劇場でやっていたので、客席も演者もノンアルコール。でも、お酒を飲みながらだったら、もっと盛り上がるし、楽しくなるだろうな、と。阿佐ヶ谷ロフトではフードもドリンクも提供できるので、まさにうってつけの場所だったんです。

森:「プロレスのトークライブ」ではあるんですけど、プロレスを知らない人がいっぱい来てくれるんですよ。お笑い芸人としての僕のファンの方とかも。それでも、「楽しかった!」って言ってもらえるから、「やっぱりプロレスってすげえな」って毎回思うんです。何なら、他の舞台とかライブとかには来ないけど、このライブには来てくれるお客さんもいるんですよ(笑)

青木:プロレス愛ですね。

森:そう。言われます。「出演者に愛がある」って。「こんなにも、出ている人たちに愛があるライブはない」って言ってくださった方がいて、プロレスは知らないけど、愛があるから楽しくなっちゃうらしいんです。

宮澤:お会いしたことがない方とかでも、ライブ終わりにTwitterとかで「プロレス者の集い」のことを検索すると、みなさんが「プロレス愛に溢れてた」って書いてくれていて。前回、松永さんがやっていらっしゃるステーキ屋さん(ミスターデンジャー)にお邪魔させてもらって、チラシを置かせて頂いた時に「ちょっと興味あるんです。一度行ってみたいんですよ」って松永さんが言ってくださったんです。ただ、その時に「ちなみに、そのトークライブでは暴露系の話をするんですか?」って聞かれたんですよ。

―――松永さんは元プロレスラーですから、気になさるのは当然です。

宮澤:だから僕は、「いやいや、そういう話は一切しません」「本当に楽しく、プロレスの良さを伝えるというか、楽しい話だけをするライブです」とお伝えしたんです。そうしたら「安心しました。それなら行ってみたいです」って。それで、前回のライブにも実際いらしてくれて、「すごい楽しいライブでした」って言って頂けたんです。

青木:いわゆる「トークライブ」って、芸人がやるにしても、ちょっと裏っぽい話をしてしまいがちな所がありますからね。

森:そうなんですよね。暴露系って、当事者が言う分にはよくても、こっちが言うのは予想の範疇でしかないですし。そういうのは飲み屋でこっそりやればいい。だから、「プロレス者の集い」ではゴシップ系の話はほぼしないです。

宮澤:それも愛なのかも知れませんね。

―――次回(第10回)は7月13日ということで、夏真っ盛りの時期ですね。

森:7.13ってプロレスの興行と被ってそうですよね。

宮澤:あるんですよ、もう。だから、開催の発表が早くしているっていう部分もあります。3月の時点ではなかったんですけどね。でも、続々と決まってくる。新日本プロレスのG1 CLIMAX、大田区体育館大会。あとは、全日本プロレスの横浜ラジアントホール大会もあちますね。

森:結構被ってますね。

青木:毎回この会話するんですよ。「被っちゃたらどうしよう」って。完全にプロレス団体目線で。このただの素人の集まりが……(笑)

森:興行戦争ですよ、これは。

宮澤:前はFortune Dream(小橋建太がプロデュースする大会)がぶつけてきていたんですよ。それで、トークライブに出る予定の小橋太っ太さんが本当に悩んじゃうんです。「どっちも外せない」みたいな。それで、小橋ファンの方たちも、なぜか「本物を見に行くか偽物を見に行くか」で悩む。当然本物を見に行くだろうと思ったら、偽物を見に来た物好きもいる。「フォーチュンドリーム行くの止めました。小橋太っ太を見に行きます」って。

森:本末転倒だね(笑)

青木:プロレス興行と被って一喜一憂するお笑いライブって、中々ないですよね。

宮澤:レスラーの方たちも、このチラシをお店とかに置かせて頂く時に、みなさん「行きたい」って言ってくれるので、被らない方がありがたいんですよね。今回は10回目という節目なので、客席に最多のプロレスラーが座ってるっていう絵も面白いかなって思ってます。

青木:前回は鈴木秀樹さんが来てくれたんですけど、僕、終わってから鈴木さんにめちゃくちゃダメ出しされて……。「思ったよりも全然喋ってないじゃないですか。もっとガツガツ行かないとダメですよ」「先輩ばかりかも知れないけど遠慮してちゃダメ。プロレスの試合だってそうなんですから」って言われて。いやいや、一緒じゃないですから(笑)

宮澤:演者の側にいるのに、気が付けばお客さんになっちゃうんですよね、楽しすぎて。みんなの話聞いて、面白くなっちゃうんです。

―――「プロレス者の集い」には、これからの展望のようなものはあるのでしょうか? このまま11回、12回とやっていくのか。それとも、もっと広い会場でやったりとか。

宮澤:満席に近い状態になってきているので、「もっと大きな会場に」っていう要望は出てはいるんですけど、今のところは考えていないです。できれば、事前にソールドアウトしちゃうようなイベントにしたいんですよね。「早めに予約しなきゃ」という感じの。

実はまだ完売したことがないので、今回それを目指しています。完売させて、プロレス業界にもどんどん広めていって、より多くのプロレスラーの方・プロレスの関係者に注目されるようなトークライブにしていきたいという思いが強いです。

青木:徐々にそうなりつつありますよね。

森:「地方興行」とか行けないですかね?

宮澤:実は、言われたことがあるんです。大阪に住んでいる方に「さすがに大阪からは観に行けないので、こっちでやってくれませんか?」って。

―――まさしく「巡業」ですね?

森:いいですね、巡業。プロレスと言えば巡業ですから。

青木:コスプレして。

宮澤:それでも来てくれる地方の方もいらっしゃるので、本当にありがたいですね。広島から来られている方もいました。

―――ライブ当日のフードメニュー・ドリンクにもこだわられているとか?

宮澤:毎回固定で出しているのが、「あのレモンサワー」っていう、後楽園ホールのレモンサワーを忠実に再現したドリンクです。青木さんと森さんが後楽園ホールに行っている回数が特に多いふたりなので、阿佐ヶ谷ロフトで初めてやった時に、味の調整をしてもらったんです。

青木:本番前なので、本当にヤバかったですね。その時僕はタイガーマスクのコスプレをやっていたんですけど、まだマスク作りが上手くいっていなかった時期で、空気が入らなくて呼吸がしづらかったんですよ。その状態で味見のために何杯も飲んだから、酔っている上に酸素も入ってこなくて、酸欠状態になっちゃったんです。結構危なかったんですよ。あくびも止まんなくなっちゃって……。

森:あくびはヤバいね。

宮澤:次回も同じメニューを出そうという話になった時に、「また本番前に味見してもらわないといけないね」って言っていたら、なんと、阿佐ヶ谷ロフトさんの方にレシピがしっかり保存されていたんですよ。だから、今後はもう大丈夫です。

青木:本当に良かったです……(笑)

宮澤:それ以外のフードメニューとかは、一応僕が考えてます。その時の旬な話題をダジャレっぽくネーミングしたメニューにしたりするんですけど、この間はダイナマイト・キッドさんが亡くなられたので、イメージカラーの青を入れたカクテルで「ダイナマイト」っていうカクテルを出したり。あとは、新日本プロレスのレフェリーのタイガー服部さんをもじって、「タイガー八鳥丼」。鳥が8個乗ってるタイガー八鳥丼。

森:絶妙なネーミングですよね。

宮澤:準備は大変なんですけど、やっていて楽しいですね。

青木:プロレス団体って、急に身の丈にあっていないことをやりだして失敗するじゃないですか。だから、10回っていう節目を迎えても我々は謙虚でいいんじゃないかと。

宮澤:そうなんですね。「10回だから、何かすごく特別なことをやるのか」と言えば、そういうわけではない。いつも通りのボリューム、プラスアルファがちょっとあるぐらい。コスプレの入場から始まって、前半はトーク、後半は映像コーナー。これだけで3時間は経っちゃうんで、あっという間です。

あと、このライブのコンセプトとして「プロレスラーをゲストとして呼ぶことはしない」というのがあるので、スペシャルだからと言って、そこはブレないですね。前回の松永さんの時も、あくまで客席にいらっしゃって、そこにマイクを渡すという形式でしたし、このメンバー以外が壇上に上がるっていうのは考えてないです。

―――「プロレス者の集い」としてのストロングスタイルを貫くわけですね。

森:ブレない中でも、ゆくゆくは新日みたいに2daysをやっちゃったり。

宮澤:昼夜の2公演もありなんじゃないですかね。

青木:そうなると、入場のコスプレが大変ですよね?

宮澤:どちらか1日は、過去の自分のベストコスプレを着てくる「オールスター戦」にしてみましょうか。

宮澤:今まで、「コスプレ投票」みたいなのはやったことがなかったので、次回にでもやってみようかな、というのはありますね。新日の「夏男」じゃないけど、「今日の1番は誰だ?」みたいな。

(夏男:新日本プロレスが開催するG1 CLIMAXの優勝者は、俗に「夏男」と呼ばれる)

森:いいですね。新しいストーリーが生まれそう。将来的にはポートレートとか売って、サイン会もやったり。

宮澤:そういうブース作りましょうか。休憩時間に客席へ注文取って回る人と、それ以外の人はポートレートサイン会。

青木:1枚200円ぐらい?

森:「藤井ペイジの列だけやけに人気ないね!」ってなるかも……(笑)

―――お三方とも、ありがとうございました。

プロレストークライブ
「プロレス者の集い vol.10」

日時:7/13(土)

OPEN 17:30 / START 18:30

前売¥2,000 / 当日¥2,500(共に飲食代別/要1オーダー¥500以上)
※前売は3/6(水)より各出演者手売りチケット、阿佐ヶ谷ロフトWEB予約にて販売・予約受付開始。
※入場順:各出演者手売りチケット→阿佐ヶ谷ロフトWEB予約

阿佐ヶ谷ロフトWEB予約はこちら

【出演】

ジグザグジギー 宮澤聡

ユリオカ超特Q

飛石連休 藤井ペイジ

森一弥

加藤憲

Wニードロップ 小橋太っ太

青木泰寛

や団 本間キッド

ドドん 石田芳道

【オープニングアクト】

ミスターデンジャー (R-1アマチュア動画ぐらんぷ2019王者)

【司会】

モグライダー 芝大輔