26日、フジテレビ「ジャンクSPORTS」では「名シーンの裏側SP」を放送。野球解説者で元近鉄バファローズの金村義明氏は「10.19決戦」の裏側を伝えた。

「10.19決戦」とは、1988年10月19日に川崎球場で行われたロッテ対近鉄のダブルヘッダーを指す。シーズン後半、近鉄は首位・西武を猛追。この日のダブルヘッダーに連勝すれば近鉄のリーグ優勝が決まる球史に残る1日となった。

6日前のケガでこの日の試合を欠場した金村氏は「悔しくて悔しくてチームとは別行動をしていた」といい、スタンドの記者席から1試合目を観戦。梨田昌孝氏が放った勝ち越しタイムリーの場面が紹介されると「目と鼻の先で(ホームに突入した鈴木貴久氏が)転がってましたから。それを見た瞬間に止めどなく涙が出ました」と振り返る。

また2試合目は吹石徳一氏の勝ち越しホームランでリードを奪う展開に。この試合でなぜかベンチ入りしていた金村氏は「感動ですね。地味な吹石さんがガッツポーズをして帰ってきた。抱き合いながら号泣でした」と話すも、すぐさまロッテに追いつかれてしまう。

試合は同点のまま9回へ。当時のパ・リーグには4時間を超えるとそのイニングで試合終了となる規定があり、残り時間が刻一刻と迫っていた。そんな中、9回裏のタッチプレーをめぐって有藤通世監督(当時)が9分間の抗議。この影響もあって10回の途中で4時間が経過、この回で勝ち越しできなかった近鉄の優勝は消滅した。

「本当はベンチに入ったらあかんのですけど」と前置きした金村氏は、ケガで離脱していながらベンチにいた理由を「あれね、仰木(彬)監督が入れっていってくれた」と説明。さらには「ジャンパーだけ着て審判と相手チームにバレないように(ベンチの)2列目で」と苦笑い。有藤監督の抗議については「死ぬほどヤジりました」と明かした。