中国メディアは、日中韓の3カ国の製造業を見ると、現在の中国の発展は非常に速いものの、日本はもっと早くから発展を遂げ、品質は今でも中国・韓国をリードしていると紹介した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本の製造業は質の高さで定評があるが、中国や韓国の発展で日本製品が「世界を席巻した」時代は過去のものとなった。中国でも一昔前には大人気だった日本メーカーの家電も、最近ではめっきり見ることは少なくなった。中国メディアの今日頭条は23日、「世界を席巻した日本の製造業がここ数年で衰退した」として、その理由を分析する記事を掲載した。

 記事はまず、日中韓の3カ国の製造業を見ると、現在の中国の発展は非常に速いものの、日本はもっと早くから発展を遂げ、品質は今でも中国・韓国をリードしていると紹介。この30年で中国と韓国の製造業が急速に発展したのも、ひとえに日本による技術移転のおかげだと日本の製造業の功績を称賛した。

 では、日本の製造業は何が変わってしまったのだろうか。記事は、日本の製造業にはこれまで「良い循環」があり、自動車、家電、造船など日本経済の柱となる完成品の川下の産業と、それに伴い発展した材料や部品などの川上の産業が相互に補完し合う関係性があったが、それが崩れてしまったと指摘した。

 これは、中国や韓国の製品に日本の製造業が押されたためで、日本の多くの企業は部品提供に方向転換したと記事は分析。もっとも、この方向転換も企業が生き残るのに成功したが、「日本の製造業全体の衰退」は変わらない事実だという。日本の部品企業は、完成品を製造する企業と緊密に連携を図り良い成長を遂げてきたが、柱となる分野は今では自動車と造船くらいで、海外メーカーに部品を提供するようになってからは、川下産業と川上産業が互いに高め合う関係性もなくなってしまったと分析している。

 そのため記事は、部品供給企業がこれまで蓄積した技術と経験は消耗する一方のため、「どれだけ持つか」と先行きは暗いとの見方を示した。とはいえ、日本製の部品はアップルなど世界的なトップレベルの企業に多く供給しており、その技術力は折り紙付きだ。また多くの日本企業がより高い技術の求められる分野へと産業転換を図っており、日本製品の技術力の高さはまだまだ世界トップレベルといえるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)