U-20W杯で真価を発揮したMF藤本寛也(東京V)

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[5.26 U-20W杯グループB第2節 U-20日本代表 3-0 U-20メキシコ代表]

 確かな戦術眼で試合をコントロールした。攻守の起点となり、チームを勝利に導いたのは中盤を司ったU-20日本代表MF藤本寛也(東京V)だった。優れたポジショニングで周りの選手を動かすと、的確に試合の流れを読み、アイディアをプレーに落とし込んだ。

「試合前は結構緊張しているのかなと思ったんですけど、いざ入ってみたら全然ボールスキルとか展開力とか、ゲームを読む力というのは自分の方があると思っていた。そういうのもうまく自信に変えていこうと決めていたけど、それが落ち着きにつながった」

 影山ジャパンの先発組に君臨してきたが、初戦エクアドル戦はベンチで見守ることになった。「自分が出たらもっとできるのになと思っていて、悔しさが倍増して、自分が出たらピッチ上で一番いい選手になってやろうと思っていた」。その熱い決意を冷静かつクレバーにピッチで表現し、メキシコ戦を掌握した。

 先制点を演出した前半21分のシーンは、クリアボールに反応して位置を取り、ダイレクトで浮き球パスを前線に配給。広い視野で相手の位置を認識したうえで、状況を読んで咄嗟に判断を変えた。

「最初はボールをワンタッチして落ち着かせようと思ったんですけど、敵が来ているのがわかって、あそこで取られたら逆にカウンターを食らう。とりあえずアバウトにGKとディフェンスラインの間にボールを入れて、そこでFWがうまく反応してくれればいいなと思った」

 後半7分にはCKのキッカーを務め、左足でFW田川亨介(FC東京)のゴールを導いた。2アシストという数字以上に、この試合で残したインパクトは大きい。司令塔として特大のポテンシャルを示し、目標に掲げてきたU-20W杯の舞台で生き生きと輝いた。

 中2日で迎えるのはB組首位のイタリア戦。「もっと強い相手とやれると考えるだけで面白い大会。やっぱり、ワールドカップというのは良いなと思う」。技術と頭脳、強気なメンタルを併せ持つ名門のレフティーは、この先に続く死闘を心待ちにした。

(取材・文 佐藤亜希子)