中国メディアは、「日本の鉄瓶はなぜこんなに高額なのか」と題し、日本の鉄瓶が高い理由について解説する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 近年、中国で骨董品収集ブームが起きている。歴史の長い中国ではさまざまな時代の骨董品があるはずだが、日本の鉄瓶の人気が非常に高いという。中国メディアの今日頭条は21日、「日本の鉄瓶はなぜこんなに高額なのか」と題し、日本の鉄瓶が高い理由について解説する記事を掲載した。

 まず記事は、日本の鉄瓶が中国で人気となっている理由を紹介。一般的には、沸かした湯が冷めにくく、お湯がまろやかになり、鉄器から自然に溶け出す鉄分で鉄分補給になるなどの利点が知られていると伝えた。しかし、日本の鉄瓶がこれほど高価なのは別の理由があるようだ。記事は、その理由の1つとして、「原材料」にあると分析。鉄瓶の多くが砂鉄を原材料としているが、中には日本刀製作に欠かせない玉鋼(たまはがね)作りでできる和銑(わずく)も使用するため、非常に高価になるとしている。

 次いで、「工芸品としての価値の高さ」を指摘。鉄瓶の起源は古代中国の宋の時代になるが、本家の中国では貴重な技術が消失してしまったという。しかし、日本に伝来した鉄瓶の製造技術が日本では継承されて発展を続けたため、中国人コレクターを引き寄せているのだと分析した。

 さらに、鉄瓶の製造方法も関係していると記事は指摘。「蝋型鋳造製法」と呼ばれる蝋を用いた方法は、一つひとつの鉄瓶が違っているため、「世界でたった1つ」の鉄瓶が出来上がり、高価になると論じた。

 ほかにも、中国での鉄瓶ブームのため、多くのコレクターが日本で鉄瓶を買いあさっているため、これに伴い価格が上昇しているとも指摘。需要が価格を押し上げているようだ。

 多くの伝統的な技術や文化遺産が消失してしまった中国と比べると、日本ではそれらが多く残されているのは貴重なことだ。鉄瓶を含めた日本の骨董品は、これからも中国の富裕層の間で人気が高まっていくに違いない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)