パルムドール受賞に喜ぶポン・ジュノ監督=25日、カンヌ(EPA=聯合ニュース)

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【カンヌ聯合ニュース】第72回カンヌ国際映画祭は25日夜、コンペティション部門の最高賞パルムドールに韓国ポン・ジュノ監督の「寄生虫」(原題、英題パラサイト)を選んだ。韓国人監督の作品のパルムドール受賞は初めて。昨年は日本の是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールに輝いており、2年連続でアジア作品が最高賞を受賞した。

 コンペティション部門にノミネートされた21作品からパルムドールに輝いた「寄生虫」は全員が無職のキテク(ソン・ガンホ)一家の長男(チェ・ウシク)が、家庭教師の面接のためにパク社長(イ・ソンギュン)の家を訪れたことから始まる予期せぬ事件を描く、貧富の差という普遍的な問題を取り上げた作品。共生できず、寄生するしかない社会の構造に対する問題意識を、ブラックコメディーという形で浮き彫りにした。

 授賞式でポン監督は「『寄生虫』という映画は驚くべき冒険だった。それを可能にしたのは私と共に作業してくれたアーティストがいてくれたからだ。特に偉大な俳優たちがいなければひとコマも撮れなかった」と出演俳優やスタッフに謝意を示した。

 ポン監督に指名され、あいさつに立った主演俳優のソン・ガンホは「忍耐と聡明さ、情熱を教えてくれた尊敬する韓国のすべての俳優がこの栄光に輝いた」と述べた。

 ポン監督は2006年に「グエムル―漢江の怪物―」、08年に「TOKYO!」、09年に「母なる証明」などでカンヌ映画祭に招待された。コンペ部門に選出されたのは17年の「オクジャ(okja)」に続き2作品目。

 韓国映画は16年にパク・チャヌク監督の「お嬢さん」、17年に「オクジャ(okja)」とホン・サンス監督の「それから」、18年にイ・チャンドン監督の「バーニング」がコンペ部門に招待されていたがコンペ部門では、02年にイム・グォンテク監督の「酔画仙」が監督賞、04年にパク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」が審査員特別グランプリ、07年にイ・チャンドン監督の「シークレット・サンシャイン」で主演したチョン・ドヨンが主演女優賞、09年にパク・チャヌク監督の「渇き」が審査員賞、10年にイ・チャンドン監督の「ポエトリー アグネスの詩」が脚本賞を受賞したが、パルムドールの受賞はなかった。

 世界三大国際映画祭ではベネチア映画祭でキム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」が2012年に最高賞の金獅子賞を受賞している。