ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。第2回は、今年から始めたインスタグラムについて!

「インスタ、始めました」

 インスタを始めた。担当しているレギュラー番組の放送時間帯が変更するタイミングに合わせて、PRを兼ねて開設してみるか、という話の流れ(と、みんなやってるからという軽い気持ち)で至ったのだが、本当に始めてよかったと思っている。

 おかしな話だが、入社して7年目にして初めて、私を応援してくださる方がいるんだ!ということを実感できた。思えば私は、仕事を始めてからこれまで「ファンです」といった肯定的な言葉を視聴者の方から直接言われたことがなかった。街で声をかけられることもほとんどないし、ロケ番組も担当したことがないので、仕事でも視聴者の方と直接触れ合う機会がない。
 目に入ってくる評判はネットニュースだったり、ゴシップ記事だったり、ほとんどがいいものじゃない。インスタを始めるときも、何を言われるかわからない怖さはものすごくあった。

 けれども、インスタを始めてみると、フォローしてくれる方が予想以上にいて、まず驚いた。それだけでもうれしいことなのに、「応援しています」などありがたいコメントを書いてくれる人まで沢山いて、本当にびっくりした。半信半疑でコメントをくれた方のページに飛んでみると、若い女の子なのかスイーツの写真がいっぱい載っていたり、お子さんの可愛い写真が載っていたり。一人ひとりがしっかりどこかで生きていて、ちゃんと実在しているということが見て取れた。
 
 初めての体験だった。今まではただ闇雲に投げていたボールだったけれど、ようやく霧が晴れて、ボールが受け取られていた場所が見えた感じ。どんなものでもいいから、誰かに何かが届けばいいと思ってやってきたから、その相手が見えたことはとても新鮮でうれしい出来事だった。
 アナウンス部の研修では「画面の向こうで見ている人のことを想像しながら伝えなさい」ということを口酸っぱく言われる。ふむふむ。今まで出来ていたつもりで、まったく実感できていなかったこと。これからは胸を張って後輩に伝えられます。

 ただ、「インスタを始めて本当によかった!」で終わればいいのだが、どんな物事にも一長一短あるもので。予想以上に反響が大きいというのはありがたいことなのだが、何かアップすると「弘中アナの発言に『怖いもの知らず』との声!」「弘中アナ、意外な素顔を公開!実は…?」など、センセーショナルに煽った見出しでネットニュースに転載されるのは、とっても恥ずかしい。
 どちらかというと応援してくださる皆さんに向けて書いているものなので、大ごとになってしまうと「そんなつもりじゃなかったのに…」という気持ちになる。ナニサマ気取りよ、なんて思われないかしら…と、日に日に後ろ向きに。必要以上に気負ってしまい書きにくくなっているというジレンマ真っただ中。
 
 開始3ヵ月でこんな風になるなんて、先が思いやられます。

Photo:moron_non

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(次回:5月31日公開)