取り消されたグランプリ作品

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ユニクロは2019年5月23日までに、同社が主催するTシャツデザイン大会「UT GRAND PRIX 2019」のグランプリ受賞作品を取り消し、グランプリは該当なしにすると発表した。

疑惑を受けているデザインは、中国人デザイナーのもの。ユニクロ広報は23日のJ-CASTニュースの取材に、「応募規約違反とし、本人納得の上取消しいたしました」と話した。

応募規約には「既に市場に発売されている場合は商品化を取り消す」

2005年にスタートし、今回で14回目をむかえる「UT GRAND PRIX」。年齢、性別、国籍等を問わず、誰もが参加できるTシャツデザインの大会だ。「ポケモン」をテーマとした今年は、過去最高の1万8000点を超えるTシャツデザインの応募が世界中からあったという。ユニクロは2019年5月20日、グランプリに中国人デザイナーによる「ギャラドス」と「コイキング」をモチーフとしたデザインを選出した。

しかし、グランプリを受賞したデザインは中国のウェブショッピングサイトの淘宝網(タオバオワン)にて17年にTシャツとして商品化され、販売されていたと「NS新聞速報」というゲーム情報を主に発信する微博(ウェイボー、中国版ツイッター)アカウントなどが投稿。そのため、デザインが作品の応募規約に反しているのではないかという疑惑が出ていた。

ユニクロの応募規約第3条を確認すると、「(3)ユニクロは、応募作品に類似した作品が既に市場に発表されている場合には、応募作品が応募者のオリジナルであるか否かを問わず、応募者に事前に通知を行うことなく入選及び商品化を取消すことがあります」とある。

6月24日から販売予定だった

その後、中国人デザイナーは微博にて20日17時、

「こんにちは、今回のUTGPのグランプリをとったものです。以前この作品を使い、同人スマホケースを作ったことがありまして(少量でしかももう売ってないですが)、作品はほかの人に盗用され商品化されています。作品を盗用した商品の写真をもう拡散しないでください」(原文は中国語、J-CASTニュース編集部が翻訳)

と、過去にスマートフォンケースを販売していたこと、また淘宝網(タオバオワン)で販売されていたTシャツは盗用されたものだったと明かした。そして30分後に上述の投稿を削除。「さきほどの投稿は削除しました。すでにユニクロには事情を説明しました」(同上)と改めて投稿していた。

今回グランプリが無効になったデザインは、6月24日からTシャツとして世界各国のユニクロ店舗及びオンラインストアにて販売予定だったが、取り消しとなった。

また、グランプリの副賞として、2019年冬に発売を予定されているゲームソフト「ポケットモンスター ソード・シールド」内で、主人公の着せ替えアイテムとして実装されることが予定されていたが、これについても、なくなった。