広島・大瀬良大地【写真:荒川祐史】

写真拡大

父の死去で不在の緒方監督に「ゆっくりお父さんを見送ってもらえれば」

■広島 3-1 中日(22日・マツダスタジアム)

 広島は22日、マツダスタジアムで行われた中日戦に3-1で勝利し、9連勝で首位の座をキープした。父の死去で不在だった緒方監督に代わって高ヘッドコーチが指揮を執った一戦は、投打がかみ合った文句なしの完勝となった。

 試合後、報道陣の前に姿を見せた高監督代行は「お疲れ様でした!」と力強い第一声。「今日は(大瀬良)大地に尽きるんじゃないかな」と、完投で今季4勝目のエースの名前を挙げ、「相手を圧倒するような立ち上がりをしてくれて、向こうもこれは手強いな、と思わせる投球。素晴らしいピッチングだった」と称賛した。

 攻撃陣に関しても「會澤がいいリードをした。ホームランも効いたね」と、2安打2打点の女房役を評価し、「ロメロも厄介なピッチャーだけど、3点も取れた。攻撃陣も頑張ってくれた」と満足そうだった。

 この日の朝に監督から父の訃報を聞き、「特に引き継ぎも何もなく、任せる、と言われただけ」という高代行監督は「勝って、ゆっくりお父さんを見送ってもらえればと思っていたので、よかったと思います」とチームの快勝に安堵した様子だった。

 普段は緒方監督の右腕として、多くを語らない指揮官に代わってチーム状況などを報道陣に詳細を説明する官房長官のような役割も果たしている。この日も9連勝で貯金8としたチームに関して「開幕当初よりもみんな落ち着いてプレーができるようになってきた。今日は小窪もいいプレーをしたし、守備も安定してきた」と、好調の要因をまとめた。

 大瀬良が完投し、野手も選手交代はなしと、代行監督が細かい采配を振るう必要もないほどの完勝だった。24日からは緒方監督も復帰する予定で、チームは巨人との首位攻防戦に挑む。選手の力にも助けられ、見事に役割を果たした代行監督は「今日のような引き締まったゲームを、東京遠征でもやりたいと思います」と意気込んでいた。(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)