展覧会「アンティーク着物万華鏡」竹久夢二・弥生美術館で、戦前の文学から着物コーディネートを学ぶ

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展覧会「アンティーク着物万華鏡 ―大正〜昭和の乙女に学ぶ着こなしー」が、2019年7月5日(金)から9月29日(日)まで、東京の弥生美術館・竹久夢二美術館にて開催される。

戦前の日本では普段着として親しまれていた着物。現代の人にとって、着物はルールが難しそうなど、敬遠する人が多くなっている。しかし本来、着物の着付け方やコーディネートは厳密なルールに縛られる必要はなく、自由に楽しんでいいもの。

「アンティーク着物万華鏡 ―大正〜昭和の乙女に学ぶ着こなしー」では、着物が日常生活で広く着用されていた戦前の時代にフォーカス。着物の着付けやコーディネートに加え、文学作品から当時の着物事情を紹介していく。

戦前の美人画をアンティーク着物で再現

大正から昭和初期、雑誌の表紙や口絵で活躍した抒情画家たちはファッションリーダー的な存在であった。会場では、そんな感性豊かな画家たちが描いた美しい着物姿の女性の画を多数紹介する。さらに、その中から数点をアンティーク着物によって再現。合わせて、スタイリストによる別コーディネートも展示することで、多彩な着物の着こなしを学ぶことができる。

文学作品から当時の着物事情を紐解く

また、大正から昭和の初期にかけて活躍した小説家の文学作品を展示し、当時の着物事情を紹介。時代の風俗を丹念に描写した作品に記された情報をもとに、小説家たちが描いたヒロインの着物姿を再現する。

流行や風俗を敏感にとらえて作品に織り込んだ作家で知られる菊池寛。女性の着物姿からも、当時のモダンな雰囲気が反映されている。

文豪・徳田秋聲の愛用品を初公開

加えて、文豪として知られる徳田秋聲が着用したマントや鞄、ステッキなどの愛用品を初公開。さらに、かんざしや着物の帯締めに通す帯留めといった着物のアクセサリー100点以上も初めて展示される。

長襦袢を紹介する初の展覧会も

また、期間中、併設される弥生美術館3階では「長襦袢の魅力 〜着物の下の遊び心〜」を同時開催。現代で言う下着の役割を果たしていた“襦袢”の魅力を紹介する初の展覧会となるので、合わせて観覧してみてはいかがだろうか。

【詳細】
アンティーク着物万華鏡 ―大正〜昭和の乙女に学ぶ着こなしー
会期:2019年7月5日(金)〜9月29日(日)
会場:弥生美術館・竹久夢二美術館
住所:
・弥生美術館 文京区弥生 2-4-3
・竹久夢二美術館 文京区弥生 2-4-2
TEL:
・弥生美術館 03-3812-0012
・竹久夢二美術館 03-5689-0462
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(ただし、7月15日(月)、8月12日(月)、9月16日(月)、9月23(月)は開館、7月16日(火)、9月17日(火)、9月23(火)休館)
入館料:一般900円、大学・高校生800円、小・中学生400円
※団体20人以上各100円引き
※二館併せて観覧可能


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