明石商vs興南

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中森、杉戸のリレーで興南を抑えた明石商が勝利 明石商先発・中森俊介

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 試合内容だけを見れば、明石商が攻守ともに興南をはるかに上回るゲーム。中でも先発の中森 俊介は評判通りのピッチングで観衆を沸かせた。

 歓迎のセレモニーでは沖縄県高等学校野球連盟会長の岩崎先生が挨拶。戦時中に赴任した故島田叡知事が兵庫県出身であり、兵庫県と沖縄県の関係の深さを説明した。その後、ANA沖縄支社販売部小田部長の挨拶を経て、明石商野球部部長の浦井先生よりスタッフとナインの紹介が行われた。

 前日に梅雨入りした沖縄県。心配された天気だったが時間が経つにつれ徐々に回復。明石商にとっても沖縄県にとっても胸をなでおろした一日となった。

 オーダー交換が終わり試合開始。明石商の先発はエースの中森 俊介。140Km後半のストレートが武器の本格右腕は、県大会Vで九州大会準優勝の興南を全く寄せ付けない。初回、三者凡退のスタートを切ると、2回には四球を与えたが水上 桂が盗塁を阻止。3回、9番又吉航瑶に三塁線を襲われるヒットを許したが、打者10人に対し1安打4奪三振。圧巻のピッチングでマウンドを降りた。

 打線は1回裏、来田 涼斗が四球を選び出塁。犠打で二塁へ進むと3番重宮 涼にライト前ヒットが生まれる。躊躇なく三塁を蹴って本塁へ向かった来田だったが、ここは興南野手陣が完璧に繋ぎ本塁アウト。その後、安藤 碧の四球と窪田康太のレフト前ヒットで二死満塁としたが、興南又吉が踏ん張り清水 良を三振に斬った。

 明石商は3回、一死から水上、重宮の連続長短打で先制。安藤は三振だったが窪田がライト前へ運び2点をボードに刻んだ。

 この2点を二番手で登板したサウスポー杉戸理斗が守り切る。立ち上がりの4回こそ、興南・勝連 大稀、宮城 大弥に連打を浴び、続く金城啓太の内野ゴロの間に1点を失ったがそれ以降が完璧。

 5回以降、1本のヒットさえ許さず二塁を踏ませたのは死球を与えた7回のみ。9回も代打攻勢で来た興南から二者連続三振を奪取。最後はセカンドライナーを窪田がダイビングキャッチで捕球しゲームセット。中森−杉戸のリレーで最少失点に抑えて1戦目を見事勝利で飾った。

4回から登板した宮城大弥(興南)

 注目の興南・宮城 大弥は4回から登板。4回は清水が、5回は水上が安打をマークするも攻略出来ず。5イニングで9個の三振を奪った宮城。九州の強豪のみならず、選抜高等学校野球大会ベスト4チームの打線も手玉に取り、全国レベルの力を改めて野球ファンに知らしめたのだった。

(取材・写真=當山 雅通)(img029〜中谷 明)