3歳牝馬の頂上決戦となるGIオークス(東京・芝2400m)が5月19日に行なわれる。

 過去3年連続で1番人気が勝っているレースだが、今年は出走していれば1番人気確実だったGI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)の覇者グランアレグリアが路線変更して不在。これによって、桜花賞敗戦組vs新興勢力組といった図式が形成され、主役を欠いた混戦模様となっている。

 そんななか、人気上位に押し上げられそうなのは、新興勢力組。GIIIフラワーC(3月16日/中山・芝1800m)を勝ったコントラチェックと、オープン特別の忘れな草賞(4月7日/阪神・芝2000m)を圧勝したラヴズオンリーユーだ。ともに、厩舎期待の良血馬で、いまだ底を見せていない未知の魅力もあって、GI初出走ながら既成勢力以上の注目を集めている。

 ただ、それら2頭は世代トップレベルのレースは未経験。それぞれの強さは認めつつも、過剰な人気を疑問視する声もある。スポーツニッポンの小田哲也記者もそのひとりで、とりわけコントラチェックについては疑いの目を向ける。

「(先週のGIヴィクトリアマイルも制した)絶好調のダミアン・レーン騎手の騎乗もあって、実力以上の人気を集めそうですが、展開的には(同じ逃げ馬の)ジョディーもいて、決して楽ではないでしょうから、人気を考えると、積極的には狙いづらい面がありますよね」

 その小田記者がまず名前を挙げたのは、桜花賞7着のエールヴォアだ。


オークスの舞台が合いそうなエールヴォア

「フラワーCでコントラチェックの2着となって、桜花賞でも(上位争いを)期待していたのですが、後方で、もみくちゃになるような競馬に泣きました。それでも、終(しま)いは上がり32秒9という脚を繰り出しての追い上げを見せました。

 3走前の500万特別・エリカ賞(12月8日/阪神・芝2000m)では、牡馬の好メンバー相手に勝っていますし、東京コースも昨秋のGIIIアルテミスS(10月27日/東京・芝1600m)で経験済み。同レースでも盛り返しての3着と善戦し、コース適性も示しています。

(2013年の勝ち馬)メイショウマンボらの例があるように、ここでは”オークスでこそ”というタイプが力を発揮します。淡々と先行して、終いにもうひと脚使えるこの馬も、そのタイプと見ています」

 さらに小田記者は、桜花賞敗戦組からアクアミラビリスとビーチサンバの2頭を推す。

「桜花賞では、ビーチサンバが4番人気で5着、アクアミラビリスは5番人気で13着でした。その結果もさることながら、ともに距離延長が向かないと見られていて、ここでは人気を落としそうです。

 しかし、アクアミラビリスは、桜花賞ではデビュー以来最も軽い408kgと、かなり体を減らしていました。この減った馬体重が戻るようなら、オークスでは見直せます。東京コースでも勝っていますし、半姉には一昨年の有馬記念で2着となって穴をあけたクイーンズリングがいます。一発があっても、不思議ではありません。

 ビーチサンバは、東京の重賞レースで2着2回。GIIIクイーンC(2月11日/東京・芝1600m)は大きな出遅れからの巻き返しでしたし、舞台適性は十分です。(重賞4勝、GI2着3回の)フサイチエアデールの子ですから、もっと走れてもおかしくありません」

 ところで、オークスと言えば、桜花賞から800mも距離が延びるため、常々距離適性が重視されてきた。だが、日刊スポーツの太田尚樹記者は「2400mという距離に気を取られすぎてはいけない」と語る。

「というのは、戦前に『短距離馬』と見られていた馬の好走例が、意外に多いのがオークスだからです。のちの三冠牝馬ジェンティルドンナも、レースの前には『母系が短距離』と見られて、3番人気の評価に甘んじていました。騎手や調教師からも『出走馬のほとんどが2400mは未経験。(オークスでは)距離適性よりも能力がモノを言う』といった話をよく聞きます」

 そこで、太田記者が推奨するのは、桜花賞で1番人気ながら4着に沈んだダノンファンタジーだ。

「下馬評では距離延長を懸念されてか、だいぶ人気を落としそうです。とはいえ、唯一のGI馬ですし、能力的にはかなり格上の存在です。陣営も『(桜花賞の)ダメージもなく、順調。スピードと能力で押し切れれば』(猿橋照彦助手)と、オークスでの巻き返しへ前向きでした。今の東京の高速馬場もプラスに働くでしょうから、(桜花賞の結果だけで)見限るのは禁物です」

 そして、太田記者ももう1頭、気になる馬の名前を挙げた。

「メイショウショウブです。前走のGIIニュージーランドトロフィー(4月6日/中山・芝1600m)で2着に入って、GINHKマイルCの優先出走権を得ましたが、管理する池添兼雄調教師が『牝馬同士なら……』と、牡馬混合のNHKマイルCをスルーして、あえてオークスに駒を進めてきました。

 この馬もダイワメジャー産駒で、2400mという距離が懸念されそうですが、池添調教師によると、『前走のジョッキー(横山典弘騎手)も”距離は大丈夫”と言っていた』とのこと。こちらも先行力があるので、今の東京の馬場は合いそうですし、大駆けを期待したいですね」 絶対的な存在がいないなか、波乱ムードが高まるオークス。その一端を担う馬が、ここに挙げた5頭の中にいる可能性は大いにある。