アニメーターになりたいという東京に行きたい本当の理由を伝えないまま、泰樹(草刈正雄)に後押しされてしまい、なつ(広瀬すず)は思い詰めて、帯広の菓子店「雪月」に立ち寄る。

しかし、そこで、雪之助(安田顕)からさらに気まずくなることを聞かされる。泰樹から頼まれ、なつが東京・新宿のベーカリー「川村屋」で働けるように手はずを整えたというのだ。なつは、浮かない顔で「本当は違うの。本当は自分勝手な理由で、あの家を出たいと思ってるの」と打ち明ける。

なつの気持ちを察したばあちゃんのとよ(高畑淳子)は言う。「東京に行ったらいい。したけど、そういう気持ちもじいちゃんにしゃべったらいい。なんでも我慢しないで言い合えなければ、ここでは、心までしばれてしまうんだわ」

とよに背中を押されたなつは、その晩、家族全員が夕食を終えたのを見計らうと、切り出した。「東京に行きたいのは、本当は兄に会うためではなくて、やりたいことがあるからです。漫画映画を作りたいのさ」

なつの告白に、富士子(松島菜々子)は「やっぱり」とつぶやいた。初耳だった剛男(藤木直人)は「えっ、知っていたのかい、富士子ちゃんは」と驚いている。富士子はなつの部屋で何冊ものノートに描かれた絵を見て、なつの情熱を確信していたのだ。

「よく言った。それでこそワシの孫じゃ!」

「作れるかどうかなんて、まだ分からないけど、どうやって作ったらおいいのかも分からないけど、やってみたいのさ。挑戦してみたいのさ」と、なつは一生懸命に自分の気持ちを伝える。「ずっと、なんでこの家を出たいのか、自分でも分からなかった。けど、さっき分かったのさ。私はじいちゃんみたいになりたかったんだって」

みんなはなつの話に耳を傾ける。

「それが私にとっては漫画映画を目指すことなんだわ。そんなの無理だと思おうとしたけれど、今は思えなくなったのさ。じいちゃん、ごめんなさい。酪農を、じいちゃんを裏切っても私はやってみたいの」

畳に頭をこすりつけるように頭を下げるなつを、泰樹は「何が裏切りじゃ!ふざけんな」と怒鳴りつける。そして、ビクリとしたなつのアゴを持ち上げ、こわばる顔を両手で優しく包み込んで言った。

「よく言った。それでこそワシの孫じゃ! 行ってこい。漫画か映画か知らんが、行って、東京を耕してこい。開拓してこい」

なつが本心を伝えたことで、柴田家はもう一度ひとつになることができた。(NHK総合あさ8時放送)