3歳牝馬の頂点を決めるGIオークス(東京・芝2400m)が5月19日に行なわれる。

 今年は、牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)を制したグランアレグリアが路線変更して不在。また、忘れな草賞(4月7日/阪神・芝2000m)を勝って3戦3勝で挑むラヴズオンリーユーや、GIIIフラワーC(3月16日/中山・芝1800m)で圧巻の逃げ切り勝ちを収めたコントラチェックなど、別路線から有力馬がこぞって参戦してくるとあって、混沌とした状況となっている。

 加えて、桜花賞から800mの距離延長と、3歳牝馬にとっては未知なる距離での戦いとなるため、一段と激戦ムードとなっている。展開や流れ次第では、思わぬ結末が待っているかもしれない。

 過去10年の結果を見ても、1番人気が5勝しているなど、比較的”堅い”決着が多いものの、混戦模様になると、しばしば波乱が起こっている。2011年には7番人気のエリンコート、2013年には9番人気のメイショウマンボが勝利し、3連単はいずれも高配当をつけた(2011年=54万8190円、2013年=15万480円)。

 さらに、馬券圏内(3着以内)には、6〜9番人気の伏兵馬が頻繁に飛び込んできている。その際には、人気馬が絡んでも3連単はすべて万馬券となっている。

 そうした状況を踏まえ、今回も過去10年の結果をヒントにして、今年のオークスで大駆けしそうな”穴馬”をあぶり出してみたい。

 まず着目したいのは、オークストライアルのGIIフローラS(東京・芝2000m)組だ。ここで好走しながら、本番で人気にならなかった馬がたびたび穴をあけている。

 2010年に5番人気で2着となったサンテミリオン(フローラS1着)、同年に8番人気で3着に入ったアグネスワルツ(同2着)をはじめ、2011年に8番人気で2着と好走したピュアブリーゼ(同3着)、2012年に9番人気で3着に突っ込んできたアイスフォーリス(同2着)、2013年に5番人気で2着と健闘したエバーブロッサム(同2着)、そして2017年に6番人気で2着と善戦したモズカッチャン(同1着)など、本当に数多くの例がある。

 であれば、今年もフローラS(4月21日)の好走馬は要注意。同レース1着のウィクトーリアと、2着シャドウディーヴァが狙い目となる。

 とりわけ今年は、別路戦組でもラヴズオンリーユーやコントラチェックへの注目度が高く、フローラS組の評価が低い。過去の例のような激走を見せてくれれば、それなりの高配当が見込めそうだ。


過去に好走例が多いフローラS組のシャドウディーヴァ

 ちなみに過去10年において、桜花賞組ではなく、別路線組が1番人気になった年が、2012年(1番人気=ミッドサマーフェア)と2013年(1番人気=デニムアンドルビー)と2回ある。先にも記したとおり、いずれもフローラS2着馬が馬券圏内に入って波乱を演出している。

 つまり、もし今年もラヴズオンリーユーやコントラチェックら別路線組が1番人気になったら、シャドウディーヴァへの期待が一段と膨らむ。積極的に狙ってみるのも悪くない。

 続いて注意したいのは、桜花賞で好走しながら人気が上がらなかった馬の激走パターンだ。

 いい例となるのは、2009年に4番人気で3着となったジェルミナルと、2015年に6番人気で3着入線を果たしたクルミナルだ。

 ともに、桜花賞も人気薄での好走(ジェルミナルは5番人気で3着、クルミナルは7番人気で2着)だった。そのため、その結果がフロック視されてか、オークスでも伏兵扱いにとどまった。

 こうしたタイプとして、今年はシゲルピンクダイヤが浮上する。

 同馬も、桜花賞では7番人気という低評価での2着奮闘だった。その分、フロック視する見方がいまだ強く、オークスでも桜花賞で1番人気のダノンファンタジー(4着)、3番人気のクロノジェネシス(3着)に人気は譲りそう。しかも、先述した話題の別路線組もいる。

 とすると、再び4〜6番人気の伏兵評価にとどまる可能性がある。だが、桜花賞ではメンバー最速の上がりをマークして、世代屈指の能力を保持していることは間違いない。それこそ、金星を挙げるようなことがあれば、かなりオイシイ配当をゲットできるかもしれない。穴党なら、無視できない1頭だ。

 最後にピックアップしたいのは、冒頭でも触れた2013年に9番人気で勝利を飾ったメイショウマンボ。同馬は、2歳時のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)で10着に敗れ、その後に重賞を制したものの、桜花賞では再び10着と惨敗を喫した。おかげで、オークスでは9番人気となったが、その低評価を見事に覆して戴冠を遂げた。

 実は今年、同馬に似たタイプがいる。シェーングランツだ。

 シェーングランツも、阪神JFで4着に敗れ、桜花賞でも9着と大敗。オークスでは人気落ち必至な状況にある。しかし、メイショウマンボ同様、重賞勝ち馬で、ハマれば大駆けがあってもおかしくない実力馬だ。

 それに、桜花賞とは条件が大幅に変わるオークス。まったく違う適性が求められることになれば、同馬の姉ソウルスターリングが2017年のオークスを制していることは、強調材料となる。姉同様に舞台が合えば、巻き返しは十分にある。

 なお、先にも記したように、メイショウマンボが勝ったのは、別路線組が1番人気になった年。その可能性もある今年、同じようなタイプのシェーングランツの一発があっても不思議ではない。 桜花賞馬が不在とあって、例年以上に混戦模様のオークス。それゆえ、過去の傾向を頼りにして、予想を組み立ててみるのも一興ではないか。その意味でも、ここに挙げた4頭は要チェックである、と思う。