by Porapak Apichodilok

二酸化炭素は温室効果ガスの一つであり、地球温暖化の大きな原因とされています。そんな地球上の二酸化炭素濃度がついに観測史上最高値の415ppmを突破したことが、ハワイ島・マウナロア観測所のデータによって明らかになりました。

CO2 in the atmosphere just exceeded 415 parts per million for the first time in human history | TechCrunch

https://techcrunch.com/2019/05/12/co2-in-the-atmosphere-just-exceeded-415-parts-per-million-for-the-first-time-in-human-history/

温室効果ガスなどの変化を長期的に観測しているマウナロア観測所のデータによると、2019年5月11日の二酸化炭素濃度は415.26ppmを記録しました。これは二酸化炭素濃度の観測が始まって以来最も高い数値であり、地球上の二酸化炭素濃度が過去数百万年で最も高まっていることがわかります。



地球上の二酸化炭素濃度が415ppmを超えたというニュースに、気象レポーターのEric Holthaus氏は「現生人類が数百万年前に登場して以来、最も高い値です」と述べています。





気象庁が公表している地球全体の二酸化炭素濃度変化がこれ。赤色の線が季節変動を除去した濃度であり、青色の線が月ごとの平均濃度です。1985年の段階では350ppm以下だったものの、急激な右肩上がりを見せてグングンと二酸化炭素濃度が上昇している模様。



過去1万年のスパンで見ると、長年にわたって300ppm以下だった二酸化炭素濃度が、ここ数百年ほどで急上昇していることがわかります。



人類が地球の環境に与える影響は年々増加しており、深刻な問題を引き起こす可能性があります。2019年5月には、「人間の活動によって100万種の動植物が絶滅の危機にある」という報告書が環境に関する政府間組織「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」によって発表されました。

「人類のせいで100万種の動植物が絶滅の危機にある」という報告書が発表される - GIGAZINE



アメリカ政府のレポートによればこのまま地球温暖化への対策を講じなかった場合、気候変動によって発生するアメリカの損失コストは2090年でおよそ5000億ドル(約55兆円)にも達するとみられています。二酸化炭素などの温室効果ガスは生命の維持が可能な温度を保つ役割も果たしていますが、あまりに濃度が高いと生態系全体に大きな影響を及ぼすことがあるため、二酸化炭素の排出量削減の取り組みが急務となっています。



by Oleksandr Pidvalnyi