なつ(広瀬すず)は天陽(吉沢亮)の家に向かう途中、吹雪に見舞われて雪の中に倒れてしまう。気が付くと、見知らぬ小屋で寝ていた。あたりには、サケをくわえた熊の木彫りがいくつも並び、動物の毛皮、猟銃もある。その向こうで、ひげ面の中年の男がしゃがんで木を彫っていた。その隣にはなつと同じ年くらいの少女が熊にニスを塗っている。

「ここはどこなんですか」

なつが起き上がると、少女がなつに水を渡した。ひげ面の男は阿川弥市郎(中原文雄)、少女は砂良(北乃きい)といった。父娘である。雪に埋もれていたなつを砂良が見つけ、弥市郎と小屋まで運んだという。

家へ帰ろうとするなつを父娘はひと晩小屋にいるように説得する。外はまだ猛吹雪だった。

砂良は、なつが十勝農業高校の演劇部で芝居をやった少女だと気が付いていた。高校の演劇部顧問の倉田先生(柄本佑)はこの小屋をよく訪ねてきていた。その倉田に誘われて、砂良は演劇コンクールを見に行ったという。そこでなつたちが演じた白蛇伝説は、弥市郎から聞いた話をもとに、倉田先生は脚本を書いたのだった。

砂良が炉端で焼いた魚をなつに差し出した。「この魚はオショロコマですか。倉田先生の芝居に出てきた。おいしい。さすが神様の味」となつは夢中でかぶりつく。

砂良という娘も母親を空襲でなくしたという

砂良も母親を空襲で亡くしていた。「俺たちもあんたと同じだ。大事な人を空襲で亡くして北海道にきた。だから、倉田先生はあんたの芝居を俺たちに見せたかったのかもしれない」と話す弥市郎。戦争への怒りや悲しみを木彫りに込めているといい、再び彫り始めた。

その姿を、なつはノートに夢中でスケッチしはじめた。夜明け近くになって、雪は止んだ。帰り道、積もった雪にスキーを滑らせながら、なつはディズニーのアニメ映画のラストシーンを思い出した。そして、ある決意をする。(NHK総合あさ8時放送)