日曜夜の王者に異変(日本テレビ)

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 5月5日、日曜夜8時台で熾烈な視聴率争いを繰り広げている『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が17.7%を獲得し、13.5%の『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)にまたしても勝利した(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)。テレビ局関係者が話す。

「2月24日に初めて『ポツンと一軒家』が上回って以降、7度目の直接対決で5度目の勝利。これまで4度勝っていますが、全て0.1〜0.5%以内の僅差でした。しかし、今回は4.2%も差をつけた。半年前まで『イッテQ!』の圧勝だった時間帯に地殻変動が起きています」(以下「」内同)

 なぜ、突然4.2%も差が広がったのか。日本テレビ全体の焦りが1つの原因になっているという指摘がある。

「昨年、5年連続で視聴率三冠王に輝いた日テレですが、前年より数字を落としている。最近はテレ朝やTBSに追い上げられており、安泰な状況ではありません。そのためか、編成が全体的にやや近視眼的になっている印象です。つまり、レギュラー番組よりも長時間特番で視聴率を取ろうとしている傾向が見て取れます。

 たとえば、4月改編で、ゴールデン帯唯一の新番組『衝撃のアノ人に会ってみた!』(水曜19時〜)を始めた(4月3日スタート)ものの、5月上旬時点でまだ3回しか放送されていない。たしかに改編期や改元という事情はありましたが、6週中3週は特番でした。新番組はスタートが大事ですし、飛び飛びの放送では視聴者に定着しません。そんなこともあってか、『衝撃のアノ人』は1度も2ケタに届いていない。5月8日は7.6%とテレ東を除いた民放ゴールデン帯の番組で最も悪い数字でした。特番は短期的には特効薬になり得ますが、長い目で見ると必ずしも良い影響を与えるとは限らない」

 近視眼的な編成の象徴が、視聴率の獲れる“日曜のさんま特番”の連発だという。日曜21時台の人気番組『行列のできる法律相談所』は2011年の島田紳助氏の芸能界引退に伴い、週替わりの司会者となった。その目玉の1つに、明石家さんまの起用があった。

「初めてさんまが司会した7年前の2012年1月15日は、21.1%を獲得。その後も、さんまの回は特に高視聴率を連発しました。日テレは2013年に『明石家さんまの転職DE天職』、2015年に『誰も知らない明石家さんま』という不定期特番を作り、いずれも良い数字を残した。ただ、昨年10月以降、日曜のゴールデン帯で5度も“さんま特番”を組んでいます。頼り過ぎな感じがします」

 全5回を振り返ってみよう。2018年10月14日の『行列のできる法律相談所 さんまVS 怒れる美女軍団』は13.4%、同年11月25日の『誰も知らない明石家さんま』は16.0%、2019年1月13日の『行列のできる法律相談所』は14.8%。いずれも3時間スペシャルで、1か月半置きに放送。13%を超えれば高視聴率と言われる昨今、数字は良かった。

 しかし、4月21日の『行列のできる法律相談』は12.9%、28日『転職DE天職』は11.7%と2週連続の3時間スペシャルでは少しずつ下がった。

 さんま特番は日テレだけに限らない。4月7日はフジテレビ系で『さんまの東大方程式』、5月5日はTBS系で『明石家さんまの熱中少年グランプリ』と他局も含めれば、この1か月の日曜5週のうち4週でさんま特番が組まれたことになる。視聴率は『東大方程式』7.6%、『熱中少年』7.9%と1ケタに終わった。いくら人気があるといっても、毎週のように日曜に2〜3時間の特番に出ていれば、視聴者が飽きても不思議ではない。

「もともと、フジやTBSの日曜ゴールデン帯の数字はこの程度なので、特段悪いわけではありません。レギュラーの『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)は4月23日に14.4%を獲るなど、相変わらず高視聴率を続けています」

 日テレはさんま特番のため、『イッテQ!』が2週連続休みとなり、5月5日は3週ぶりの放送だった。

「この日、『ポツンと一軒家』と4.2%もの差が開いた理由の1つに、視聴習慣が薄れた影響も考えられます。改編期からやや外れた4月下旬にさんま特番を連発したのは、今まで『笑点』から『行列』まで2ケタが続く“縦の流れ”だけではなく、毎週日曜夜8時は『イッテQ!』を観るという視聴習慣、つまり“横の流れ”を大事にしてきた日テレらしくない編成だったかもしれません」

『イッテQ!』が再び日曜夜8時の王者に返り咲く日は来るか──。