W杯メンバーを発表した高倉麻子監督

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 6月7日にフランスで開幕する女子ワールドカップに出場する日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバーが発表になった。

●今井純子委員長

「2016年4月に高倉監督に託してから、様々な準備を重ねてきました。再び世界のなでしこへ。なでしこジャパンがこれまで積み上げてきた成果を引き継げるようにサポートしていきたい。インパクトが残せるような大会にしたい」

●高倉麻子監督

「就任して約3年ほどになりますが、全ての準備はこのW杯のためだったと思っています。総勢63名を選んできましたが、チャレンジキャンプを入れると90名ほどを呼んだ。様々な可能性を探る中で、最終的に選んだ理由のひとつは、必ず壁にぶつかり上手くいかないことがあったが、選手が考え、工夫をして、努力をして、次に会った時に修正してきた跳ね返りの強さがあった。そこはいつも注目してみていました。就任するときに4つの条件をあげた。テクニックがあって賢い。力がある。代表に対する思いが強い。チームのために戦えるという4つをベースにみてきましたが、その中でも何か強いものをひとつでも持った選手というのは、選考する中でも大きなキーになりました」

「なでしこはFIFAランク7位にいますし、圧倒的な強さを持って戦うことは難しい。そのことをチームが自覚して戦っていく。1か月ほどの長い戦いになるが、上手くいくこと、いかないことも出てくる。ただ普通にやっていたら勝てないということをみんなが分かり、ある時はみんなで壊し、また作り上げるという作業をしながら、頂点に強い想いを持って向かっていきたい。選手には勇気と想像する力、献身を求め、戦っていきたい。今まで呼んだ多くの選手はサッカーと向き合って真摯にプレーしてくれました。今回選べなかった選手の分も戦ってきたい。令和という新しい時代に、新しい光、強い光を持ってこられるように全員で戦ってきたい」

―若い選手が多いが。

「年齢ではなく、様々な選手を試す中で、しっかり返ってきた選手を選んだ。大会中に爆発的な力を発揮してくれそうな選手もいるので期待している」

―怪我人も多い。中でも阪口夢穂選手の状態は?

「少し不安要素を持っている選手もいるが、チームのメディカルと相談した結果、ゲームに出られるということなので、不安はありません。コンディションは大丈夫だと聞いている。経験も豊富な選手ですし、チームに落ち着きをもたらすという意味でも期待している」

―グループリーグで対戦する3か国の印象は?

「アルゼンチンはFIFAランク37位ですが、トリッキーなプレーも多く、南米の選手らしく強引にゴールを狙ってきたりだとか、簡単な試合にはならない。初戦の難しさもあります。スコットランドは新鋭ではありますが、最近の試合でもいい試合をしているので、決して侮れない。未知の力という意味ではアメリカ、ドイツや開催国のフランスが優勝候補としてあげられているが、どこが勝ってもおかしくない大会になると思う。一つひとつ戦っていくだけ。山じゃない試合はないけど、予選の3つは慎重にかつ大胆に戦っていきたい」

―改めて目標を。

「難しい挑戦ではあるが、優勝は目指さないかぎり手に入れることはできないので、優勝を目指したい。ベテラン選手には月並みではあるが自分たちの経験、本番にしかない緊張感、不測の事態が起きると思うので、支えてもらいたい」

―攻撃陣に期待すること。

「近年、女子サッカーのレベルが急速に上がっている。私自身も選手自身も感じる中で、皆さんもご覧になっていると思うが、後ろ向きには戦いたくない。オンで武器を発揮できる選手と、オフの中で戦える選手がいるが、この選んだ選手たちというのは、どの組み合わせになっても、何かを作り上げることができるのではないかという期待を持たせる選手が多い。劣勢な試合であっても、コンビネーションを作ったときに、鉄のDFを翻ろう出来る崩しが出来ると楽しみにしている。田中(美南)選手の得点力も大きな期待を持っていたが、考えた結果、この選手たちを選びました」

―前回大会経験者も少ない中で、チームを作る上で必要になっていくこと。

「なかなかメンバーを固めないので、固めて戦った方がいいのではという意見も聞こえましたが、いろいろな状況の中でメンバーを組めなかったということがあった。ただ普通は固めて戦うだろうの普通が私にとっては普通ではない。いろんな選手の可能性を最後まで見極めながらということを選手にも伝えている。あと1試合、スペインとの親善試合がありますが、練習の中でも大会中にもチームの成長はみられると思うので、期待しながら戦いたい」

―阪口選手は初戦に間に合う?

「初戦もターゲットにしているが、招集をして彼女自身のパフォーマンスがどこまで上がってくるかをみないといけない。選手のコンディションと、どれだけ研ぎ澄ましてグラウンドに立ってくれるかということで、メンバーも決まってくるのではないかなと思います」

(取材・文 児玉幸洋)