「春の女王決定戦」となるGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)が5月12日に行なわれる。

 再び波乱となった先週のGI NHKマイルCと同じく、このレースも「荒れるGI」のひとつと言っていいだろう。

 過去10年の結果を振り返ってみても、1番人気が3勝している一方で、11番人気のヴィルシーナ(2014年)、7番人気のストレイトガール(2016年)、6番人気のアドマイヤリード(2017年)、そして8番人気のジュールポレール(2018年)ら、伏兵が金星を挙げるシーンが頻繁に起こっている。

 さらに、馬券圏内(3着以内)ではふた桁人気の穴馬が何度も突っ込んできており、馬連や3連単でも高配当が続出している。なかでも凄まじかったのは、2015年。5番人気のストレイトガールが優勝し、2着に12番人気のケイアイエレガントが、3着に18番人気のミナレットが入って、馬連が3万6880円、3連単は2070万5810円という驚異的な高配当をつけた。

 この3連単の配当は、GIにおける史上最高記録。ヴィクトリアマイルは、まさしく”波乱を呼ぶ”牝馬の戦いと言える。

 となると、今回も積極的に穴狙いに徹したい。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで波乱を演出しそうな激走馬を探し出してみたい。

 まず目につくのは、直前の重賞を制していながら低評価に甘んじた馬の台頭だ。

 2009年に11番人気で2着となったブラボーデイジー、2010年に11番人気で3着と健闘したニシノブルームーン、2015年に12番人気で2着となったケイアイエレガントらが、そのいい例だ。いずれも、前走で重賞を勝っていたが、そのレース自体のレベルが疑われたり、その勝利をフロック視されたり、はたまたその勝利からやや間隔があるのが嫌われたりして、上位人気になることはなかった。

 そして、今年も前走で重賞を勝っていながら、人気薄にとどまりそうな馬がいる。デンコウアンジュ(牝6歳)とフロンテアクイーン(牝6歳)だ。そのうち、ここではフロンテアクイーンを推したい。


ヴィクトリアマイルで一発の期待がかかるフロンテアクイーン

 同馬は、前走でGIII中山牝馬S(3月9日/中山・芝1800m)を勝利しているが、他のステップレースに比べて、同レースはやや手薄なメンバー構成だったという印象がある。しかも、今回はそこから約2カ月ぶりのレースとなる。ファン心理としては、より直近の重賞レースで好走している馬のほうに関心が向くため、ここでは伏兵の1頭という評価に落ち着きそうだ。

 しかし、過去の例からも直前に重賞を勝っている馬は侮れない。それだけの実力があるのは確かで、堅実さが光るフロンテアクイーンの一発があっても不思議ではない。

 続いて注目したいのは、人気落ちの”リピーター”による激走だ。

 たとえば、2013年に12番人気で2着と好走したホエールキャプチャ、2014年に11番人気で戴冠を果たしたヴィルシーナがそう。ともに前年の勝ち馬ながら、その後のレースで振るわずに大きく人気を落としていたが、得意舞台でその評価に反発する激走を見せた。

 他にも、2015年の勝ち馬ストレイトガールが7番人気と評価を落とした翌年も快勝し、連覇を達成。さらに、2017年に3着と善戦したジュールポレールが翌2018年には8番人気の低評価のなか、頂点に立っている。

 とにかくヴィクトリアマイルでは、”リピーター”が演出した波乱が非常に多い。だとすれば、過去にこの舞台で好走した人気薄を素直に狙うべきだろう。

 このパターンで今回浮上するのは、デンコウアンジュだ。同馬は、2017年のヴィクトリアマイルで11番人気ながら2着に食い込んだ実績がある。

 加えて、同馬は先にも触れた、直前の重賞を勝っていながら人気薄、といった過去の激走馬の条件にも合致している。穴馬候補として、2つの項目に名前が挙がった馬を軽視するわけにはいかないだろう。

 前走のGIII福島牝馬S(4月20日/福島・芝1800m)で、2015年のGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)以来、およそ3年半ぶりの勝利を飾ったデンコウアンジュ。調子が上向きなのは間違いなく、舞台適性も高い同馬の大駆けを期待したい。

 最後に注視したいのは、ステップレースのひとつである、GII阪神牝馬S(阪神・芝1600m)からの参戦組だ。

 というのも、過去3年の1〜3着に入った延べ9頭のうち、7頭が阪神牝馬S組だからである。さらに興味深いのは、その7頭すべてが阪神牝馬Sの”負け組”であること。勝ち馬は、いずれも本番となるヴィクトリアマイルでは馬券圏外に沈んでいる。

 つまり、阪神牝馬Sの”負け組”が今年も外せない。ただ、そうなると多数の馬がその候補となってしまうが、ここではアマルフィコースト(牝4歳)に狙いを絞りたい。

 前走の阪神牝馬S(4月6日)では、勝ったミッキーチャーム(牝4歳)からコンマ1秒差の2着に善戦したアマルフィコースト。しかしながら、同馬は重賞未勝利。阪神牝馬Sでも12番人気での激走だった。その分、この好走自体もフロックと見られる可能性が高く、GIでも実績のあるメンバーが集うここでは伏兵の域を出ることはないだろう。

 また、同馬は1600万下をすんなり勝ち上がれなかった。その点でもマイナスのイメージがあるが、2走前のGIII京都牝馬S(2月16日/京都・芝1400m)でも3着と奮闘。確実に力をつけていることは間違いない。

 さらに、阪神牝馬Sの2着馬は、過去3年連続で本番のヴィクトリアマイルでも馬券圏内に入っている。2016年はミッキークイーンが本番で2着、2017年はアドマイヤリードが本番で戴冠を遂げて、昨年はレッドアヴァンセが本番で3着と健闘した。

 アマルフィコーストも同様に、今年のヴィクトリアマイルで馬券に絡んでもおかしくない。強くオススメしたい1頭だ。 春のGIシリーズもいよいよ後半戦。ヴィクトリアマイルでお宝馬券をゲットして、残りのGI戦に向けて一段と弾みをつけていきたい。その手助けを、ここに挙げた3頭に託してみてはいかがだろうか。