進化したスマートウォッチとスマートバンドが「ウェアラブル」時代の到来を予見させる

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身につける端末を「ウェアラブルデバイス」という。
その一つに、スマートウォッチがある。
腕時計のように腕に付けることで、スマートフォンの通知の確認ができるほか、万歩計をはじめとするフィットネス機能で健康管理もできる。




もう一つのウェアラブルデバイスとしては、スマートグラスというメガネ型のデバイスもある。
こちらは、主に業務用として開発されており、メガネに取り付けられたカメラと小さなコンピューターを組み合わせて、業務に必要な情報をメガネに表示して業務をサポートする。


今回は、前者のスマートウォッチおよび、スマートバンドについて紹介したいと思う。

スマートウォッチというと、アップルの「Apple Watch」(アップルウォッチ)を重い浮かべる人も多いのではないだろうか。
Apple Watchは現在(2019年4月)、第4世代の「Series 4」が販売されており、心拍センサーや位置情報を取得するGPSだけではなく、Apple Payによる支払、単体での音声通話が可能なセルラー機能まで搭載する。
また、アプリを追加して機能拡張が可能で、超小型のスマートフォン的な存在、まさにスマートウォッチなのである。

また、ファッションブランドとのコラボレーションや、スポーツブランドのコラボレーションも多く、こうしたコラボレーションによってアップルウォッチのブランド価値を高めているというのも特徴だ。


Wera OSを搭載するmobvoi「TicWatch C2」


Apple Watchのほかには、Googleの「Wear OS」を搭載するスマートウォッチもある。
セルラー機能はないものの、Apple Watchのようにフィットネス機能やアプリの追加、Google Payによる支払(日本では未対応)など、こちらも多機能化が進んでいる。

こうしたスマートウォッチを使うメリットとはなんだろう?
それはスマートフォンとの連携による利便性だ。


フォッシルのタッチスクリーンスマートウォッチ「FOSSIL スポーツスマートウォッチ」


例えば、スマートフォンの通知をスマートウォッチのバイブ機能で体験として知ることができるので、大事なメールやメッセージ、着信を見逃すことはない。
また、スピーカーを内蔵しているモデルなら、スマートウォッチで通話することも可能なのである。スマートフォンを取り出す手間が省けるので、移動中などで使ってみると、その便利さに気付くはずだ。

フィットネス連携では、
ダイエットやトレーニング用途として本格的なワークアウト機能を持っている。
スマートウォッチ単体で動作するため、スマートフォンの画面を開いてアプリを起動して、設定を行う・・・などの手間を必要としない。スマートウォッチでワークアウトの画面を呼び出して、画面をタップするだけだ。


あらかじめ設定した歩数や運動量の目標値に対しの達成率をグラフで可視化することもできる


本格的なトレーニングを必要としないユーザーでも、普段の行動が見える化される効果は大きい。
「今日は全然歩いてないな」
「今週は結構歩いたな」
こうした生活での活動を振り返りができるのも面白い。
もちろんこの行動記録は、スマートフォンでも可能だ。
しかし自宅内やオフィスなどの室内で、スマートフォンを持ち歩かない状態でも記録できるため、スマートフォンよりも正確なデータ取得が可能なのである。

スマートウォッチは、従来の腕時計にはなかったこうした便利機能を提供する。
しかしスマートウォッチの弱点はバッテリーの持ちにある。
あまり通知がなく、記録するデータが少なければ数日持つこともあるが、使い方によっては1日ギリギリ持つか持たないかというのが現在での状況だからだ。

つまり、ほぼ毎日充電が必要である=手間が、最大のデメリットである。
とはいえ、寝ている間は腕時計を外すという人であれば、睡眠中にスマートウォッチを充電できるので、デメリットにはならないという見方もできる。

逆に小さいバッテリーだからこそのメリットもある。
スマートフォンのような充電に数時間を要するような大容量バッテリーではないため、数十分の充電でフル充電が完了するモデルが多い。
つまり、使う人の生活内で、利用するサイクルや運用方法さえ見つけだせれば、毎日の充電もデメリットとはならないのだ。

さらに現在は、このスマートウォッチでのバッテリー問題を解決した製品も登場している。

それが独自OSを搭載したスマートウォッチだ。

バッテリー問題を抱えるスマートウォッチは、Apple WatchのwatchOSにしろ、GoogleのWear OSにしろ、高機能な小型スマートフォンに近いOSを搭載している。
容量の小さいバッテリーで、多機能で動作負荷の多きなOSを動作させれば、バッテリー消費が大きく、すぐに使いきってしまう。

こうしたアプローチをしているのが、サムスン電子やファーウェイだ。

サムスン電子の「Gear Watch」シリーズは、モバイル向けのOS「Tizen」を採用し、最新モデルでは3〜4日のバッテリー駆動を実現している。


独自OSを搭載する「HUAWEI WATCH GT」


ファーウェイの最新のスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT」シリーズも独自のOSを採用しており、1〜2週間の使用を可能としている。さらに負荷が小さい場合は、より省電力で動作するようチップセットの設計もなされている。

この2つのシリーズは、独自OSを搭載しているとは言ってもスマートフォンとの連携も可能であり、通知の確認やフィットネス機能なども、スマートフォンと同期して確認も可能だ。
OSの違いはあるが、スマートウォッチとしての使い勝手は、AppleやGoogleと大きな差はない。

逆にバッテリー持ちが良い分、メリットが大きいともいえる。
デメリットとしては、専用のアプリが少ないなど、一般ユーザーが公開する追加機能など自分好みの機能追加が弱いところだろう。

時計型ウェアラブルデバイスには、多機能で高性能なスマートウォッチのほかにも、リストバンド型のスマートバンドという製品もある。


リストバンド型の「HUAWEI Band 3」


こちらは、リストバンド型のフィットネス向けロガーの進化型といえる製品だ。
現在は、時計としても利用可能なディスプレイ付きのモデルが主流となっている。

スマートウォッチとの違いは、手軽な点だ。
・サイズと軽さ
・数千円から購入できる低価格




ディスプレイ付きとなったことで、ランニングなどのワークアウトをスマートバンド単体で設定できるようになっている。センサー類も充実しておりワークアウト中に、心拍を測定するなど、精度の高いトレーニングが可能だ。

フィットネス機能だけではなく、スマートフォンの通知を表示する機能も持っているので、着信をバイブで通知したり、メールなどのメッセージの一部をスマートバンドで読んだりすることも可能である。

スマートバンドは、本来はシンプルなフィットネス機能がメインで、そこにスマートフォン連携機能を強化して進化してきた。
今では、低価格ながらスマートウォッチに近い機能を持つようになっている。

スマートフォンの機能そのままのような地図やナビ機能、通話など、スマートフォンのような多機能さを必要とするならスマートウォッチを選びたい。

フィットネス機能や、シンプルにスマートフォンの着信や通知が確認できれば良いだけあれば、スマートバンドが良いだろう。腕時計に慣れてなくて苦手というケースもあると思うが、スマートバンドは柔らかいバンドと軽さ数十グラムなので腕の違和感が少ない。

いずれの製品も、一度使ってみればその便利さを実感できる。
スマートフォンの大型化で、取り回しにストレスを感じてきたなら、ウェアラブルデバイスを検討してみて欲しい。


執筆  mi2_303