中国全国の鉄道事業を運営する中国鉄路総公司の3月末時点の負債残高が、過去最高の5兆2683億元(約87兆3000億円)に達した。2018年通年の純利益の約2580年分の計算になる。写真は寧波(ニンポー)駅の高速鉄道ホーム。

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中国全国の鉄道事業を運営する中国鉄路総公司の3月末時点の負債残高が、過去最高の5兆2683億元(約87兆2400億円)に達したことが分かった。中国メディアの新京報が2019年5月1日付で報じた。同公司の2018年通年の純利益は20億4500万元(約339億円)で過去最高だったが、単純計算では同社は純利益約2580年分の負債を抱えていることになる。

2018年の売上高は1兆955億元(約18兆1600億円)で、前年の1兆154億元(約16兆8100億円)を上回った。純利益は20億4500万元で、前年の18億1900万元(約302億円)を上回り、過去最高になった。

18年の運輸収入は7569億元(約12兆5500億円)で、客運収入は3570億元(約5兆9200億円)、貨物輸送収入は3522億元(約5兆8400億円)だった。

2018年末の負債残高は5兆2134億元(約86兆4300億円)で、19年3月末にはさらに増えて5兆2683億元に達し、過去最高になった。純利益も増加しているが、負債残高も増加しており、19年3月末の負債残高を18年通年の純利益で割る単純計算をすると、約2580年分ということになる。

なお、中国の鉄道事業は1954年に発足した政府・鉄道部が担当していたが、2013年3月には、政府・交通運輸部国家鉄路局が行政部門を、中国鉄路総公司が事業部門を担当する組織改革が実施された。長期に渡り政府部門が鉄道事業を担当していたのは、戦時には軍や武器なども輸送する「準軍事部門」の扱いを受けていたからだ。しかし、2011年には劉志軍鉄道部長(鉄道相、当時)が職権乱用などで解任され(13年に有罪判決が確定)、11年7月には高速鉄道で多数の死者を出す追突脱線事故が発生したことが、組織改革のきっかけになった。

中国鉄路総公司の巨額の負債は、政策により高速鉄道網など急速かつ大規模な建設事業を続けているからとされる。

現在の中国鉄路総公司は、中央政府がすべての資産を保有する国有中央企業だ。これまで「株式上場を目指すのでは」との見方がしばしば発生したが、新京報は「業界関係者の多くは、中国鉄路総公司は巨大すぎて、近い将来に全体上場を行う可能性は低い。ただし、傘下の優良資産部分を上場させる可能性は存在する」と紹介した。(翻訳・編集/如月隼人)