3歳馬の「マイル王」を決めるGI NHKマイルC(東京・芝1600m)が5月5日に行なわれる。

 今年は、先のGI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)を快勝したグランアレグリア(牝3歳)に、昨年末のGI朝日杯フューチュリティS(12月16日/阪神・芝1600m)を制した2歳王者アドマイヤマーズ(牡3歳)、そしてGIIIきさらぎ賞(2月3日/京都・芝1800m)を勝った高額良血馬ダノンチェイサー(牡3歳)の、「3強」の戦いと見られている。

 だが、NHKマイルCは「荒れるGI」として知られる。過去10年を振り返っても、3連単では100万円超えの超高額配当が2回、10万円超えの高額配当が4回も出ている。

 とすれば、今回も穴狙いに徹するべきだろう。過去の10年の結果を参考にして、今年のレースで波乱を起こしそうな穴馬を探し出してみたい。

 まず目がいくのは、前走で重賞やオープン戦を制していながら、低評価にとどまった馬の激走だ。

 2009年に13番人気で3着に突っ込んできたグランプリエンゼル、2013年に6番人気で2着となったインパルスヒーロー、2014年に17番人気で2着と奮闘したタガノブルグ、2015年に4番人気で2着に入ったアルビアーノらがいい例だ。

 前走で、グランプリエンゼルはオープン特別の橘S(京都・芝1200m)、インパルスヒーローはGIIIファルコンS(中京・芝1400m)、タガノブルグはオープン特別の橘S(京都・芝1400m)、そしてアルビアーノはGIIIフラワーC(中山・芝1800m)と、いずれも勝利を飾っていたが、それがフロック視されたり、本番では他に強力メンバーがそろっていたりして、上位人気を争うまでには至らなかった。

 だが、直前に重賞やオープン戦を勝っている馬は、それだけの実力があり、勢いもある証拠。決して侮ってはいけないのだ。

 そして今年、前走で重賞やオープン戦を勝っている馬は「3強」を除いて、イベリス(牝3歳)、ハッピーアワー(牡3歳)、ワイドファラオ(牡3歳)と3頭いるが、「3強」の存在のおかげで、いずれも人気薄にとどまりそう。そうなると、どの馬も狙い目となるが、ここではハッピーアワーを推したい。



NHKマイルCでの一発が期待されるハッピーアワー

 同馬は前走のファルコンS(3月16日)で、メンバー最速の上がりをマークして鮮やかな勝利を飾った。ただ、同レースのメンバーが手薄だったこと、2走前にはGIIIシンザン記念(1月6日/京都・芝1600m)で5着に敗れたこともあって、確固たる信頼を得られていない。

 しかし、ファルコンSが1400m戦になってからは(2012年以降)、最も速い1分20秒9という勝ちタイムを記録。さらに3走前のGIIデイリー杯2歳S(11月10日/京都・芝1600m)では、「3強」のアドマイヤマーズに完敗を喫したものの、メンバー最速の上がりを繰り出して、最後方から猛追している。

 先行する「3強」がけん制し合って、少しでも流れが速くなれば、怒涛の追い上げからの一発があってもおかしくない。

 次に注目したいのは、オープン戦や重賞勝ちがありながら、その後の重賞で振るわずに人気を落とした馬の巻き返しだ。

 たとえば、2009年、2013年と、ともに10番人気で金星を挙げた、ジョーカプチーノとマイネルホウオウがそう。さらに、2013年に8番人気で3着となったフラムドグロワール、2016年に12番人気で3着と善戦したレインボーライン、2017年に13番人気で2着と好走したリエノテソーロも、それに近いタイプだ。

 ジョーカプチーノはファルコンSを制しながら、続くGIIニュージーランドトロフィー(中山・芝1600m)で3着に敗れて人気が急落。マイネルホウオウはオープン特別のジュニアC(中山・芝1600m)を勝ちながら、GIIスプリングS(中山・芝1800m)で3着、ニュージーランドトロフィーで7着に終わって、本番では軽視されてしまった。

 その他、フラムドグロワールやレインボーラインも、オープン戦や重賞で勝利を挙げているものの、その後の重賞でパッとせずに人気落ち。リエノテソーロは芝のオープン戦を勝ったあと、ダートの地方交流重賞で2連勝を飾るも、直近のオープン特別・アネモネS(中山・芝1600m)で4着と惜敗し、牝馬ということもあってか、一気に評価がガタ落ちした。

 だが、直前のレースでなくても、重賞やオープン戦を勝っている馬は、そもそもそれだけの底力があるということ。万全の仕上げで、レースの流れや展開が向けば、上位争いに加わることは可能だ。

 今年もこうした馬、重賞やオープン戦での勝利実績がありながら、その後に結果を残せずに評価を落としそうな馬は見逃せない。メンバーを見渡してみると、ヴァルディゼール(牡3歳)、カテドラル(牡3歳)、ケイデンスコール(牡3歳)、ファンタジスト(牡3歳)、プールヴィル(牝3歳)、ミッキーブラック(牡3歳)と、その候補も何頭かいるが、馬券的な妙味から狙ってみたいのは、ヴァルディゼールだ。

 2走前にはシンザン記念で快勝したものの、前走のGIIIアーリントンC(4月13日/阪神・芝1600m)では8着と馬群に沈んだ。その結果、ここではかなり人気を落とすことになるだろうが、キャリアはわずか3戦。1度の敗戦で見限ってしまうのはどうか。

 それに、前走のアーリントンCでは序盤からごちゃつく展開で、直線では馬群に包まれて、大きな不利もあった。スムーズにレースを運ぶことができれば、巻き返しがあっても不思議ではない。

 最後に、朝日杯FSで掲示板(5着以内)に載った馬が、その後は結果を残せずに人気を落とすも、ここで再び力を示していることが多い、ということがわかった。

 2010年に5番人気で2着となったダイワバーバリアン(朝日杯FS3着)、2011年に4番人気で3着に入ったリアルインパクト(同2着)、2017年に6番人気で3着と善戦したボンセルヴィーソ(同3着)、そして昨年、6番人気でレースを制したケイアイノーテック(同4着)らがそう。さらに、前述の2013年に8番人気で3着と好走したフラムドグロワール(同4着)も同様だ。

 つまり、今年も朝日杯で掲示板に載った馬で、人気薄となりそうな馬は無視できないということ。4着ファンタジストも面白いが、より高配当を狙うなら2着クリノガウディー(牡3歳)だろう。

 同馬は朝日杯FS後、スプリングS(3月17日)で6着、GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)では16着と惨敗し、その評価は急降下。それでも、朝日杯FSでは2着と好走し、「3強」の一角グランアレグリアに先着したことは事実だ。過去の例からしても、再び激走を見せる可能性は十分にある。 令和となって、最初のGIレース。「3強」にひと泡吹かせそうな馬を狙って、過去の高配当を超える、超大穴馬券で勝負してみるのも悪くない。