「「自分は何者か?」問い直すことが人間の可能性を拡張してくれる:WIRED VIDEOS「OUR FUTURE IS」AI+Robotics編(5)」の写真・リンク付きの記事はこちら

10年後のわたしたちのライフスタイルを問うていくWIRED VIDEOSの新シリーズ「OUR FUTURE IS」では、第2回のテーマとして「AI + Robotics」を扱ってきた。「知能」「身体」「関係性」「〈わたし〉」という切り口から、10年後の未来を考えるなかで、最終回のテーマとして選んだのは「人類の未来」だ。10年後に人類が直面する課題や、その社会における「適切なテクノロジー」のあり方を探る。

登場するのは、「人間とは何か?」を探求するアンドロイド開発者・石黒浩、LOVOTを生み出したGROOVE X社長の林要、生物と人工物の境界を探るアーティスト・菅実花、「着るロボット」で多様性を表現するクリエイター・きゅんくんの4名だ。

共鳴する未来への視座

4人のシンカーに共通の質問を投げかけていくなかで興味深かったのは、その答えが共鳴していくことだった。たとえば、「10年後も人類はテクノロジーを社会をよりよくする方向に使えている?」という問いに対して、石黒と林は「われわれは世界をより良い方向に導こうとして、テクノロジーを開発している」と答え、その上で石黒ときゅんくんは「誰にとっての『良い』という定義か?」という問いを提示する。

「多様性が重要なんです。さまざまな人がさまざまな恩恵にあずかれるように技術をつくる。コンピューターでもロボットでも、なんでもいいですけれど、多様性こそが未来を豊かにする唯一の答えだと考えています」

このように石黒は多様な人々を包摂するインクルーシヴなテクノロジーの重要性を指摘する。

また、「10年後、人類が直面している最も大きな課題は?」「テクノロジーが進化する社会で生きる人間に必要なマインドセットは?」そんな問いに対して、驚くことに石黒と林は近しい答えを示してくれた。

それは、生き残ることが大変だった時代から、いまはテクノロジーによって生活が底上げされた上で、自身の存在意義や人間とは何か?といった問題意識が重要になるという指摘だ。

「生き残るだけで幸せだった時代から、それが当然になってしまったいま、自分の存在意義を確かめる場がどんどん減ってしまっている。テクノロジーは生産性の向上のために使われているので、生きやすくなるがゆえに自分の存在意義が見つからなくなっています。LOVOTは『いかにして人の気持ちを元気にするのか』に踏み込んだテクノロジーなんです」(林)

「いままでの人々は生き残るだけでも大変でした。技術で生活のレヴェルが底上げされてきたいま、『人とは何か』『自分とは何か』『自分の価値は何か』と、もっと多くの人がそういった問題意識をもって人間の可能性を広げていくのが大事だと思います」(石黒)

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