喫茶店の魅力といったら数あれど、何といっても気になるのが、店の個性が出るスイーツ。映画『クレイマー、クレイマー』に登場する一皿を再現したものをはじめ、絶品フレンチトーストが楽しめる都内の喫茶店をご紹介します。

1.〈喫茶 ジュン〉/有楽町

「フレンチトースト」950円(紅茶セット1,100円、各税込)

1965年創業の喫茶店のフレンチトーストは、平日15:00〜の限定メニュー。フランスパンに、卵と牛乳、砂糖などを合わせた液を浸みこませ、低温で焼き上げる。シンプルながらリッチな味わい。

〈喫茶 ジュン〉
■東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館3F 
■03-3211-5987 
■10:00〜20:00(土日祝11:00〜19:00) 休みは施設に準ずる
■50席/分煙

(Hanako『ふだんづかいの大銀座』掲載/photo : Yoko Tajiri text : Emi Suzuki)

2.〈珈琲と紅茶とバロック音楽 平均律〉/学芸大学

カウンター上の梁は300年もの。コーヒーは神戸の〈萩原珈琲〉を変わらず仕入れている。

「うちは、初めてでもすぐ店になじんでもらえる。結婚した人達もいるんですよ」と店主の有賀えりささん。昨年、最愛のご主人が他界してからは、1人で店を切り盛りしている。

「ウェッジウッド」から益子焼まで。BGMはバッハやハイドンなどが多い。

ご主人は70年代に喫茶専門学校の講師を務めた喫茶店のプロ。ある日、友人と吉祥寺を歩いていて耳にした平均律の美しさに感動し、自らの店を持ちたいと考えるように。そして80年に原宿の裏路地で開いたのが、コーヒーとバロック音楽の店だった。ブランクをへて17年前に学芸大学に場所を移してからは、自家製のケーキや中国茶のメニューも増やした。

クリームとコーヒー、砂糖が3層になったウインナ・コーヒー800円(各税込)。

カルピスバターを使ったフレンチトースト800円。映画『クレイマー、クレイマー』に登場する一皿がモデル。紅茶は700円〜。

使い込まれた掛け時計が時を刻む。

梁や柱、華奢な背もたれの椅子まで、古材を取り入れた内装は、古民家再生の第一人者である石川純夫氏によるもの。

昭和の初めのステンドグラスを再利用。

仕切り壁に幾何学的なのぞき窓をあしらったテーブル席のつくりは、氏の建築物の中でも珍しいのだとか。ぜひご注目を。

思い出があちこちに。

(Hanako1150号掲載/photo : Kenya Abe text : Hiroko Yabuki)

3.〈珈琲 ワンモア〉/平井

「フレンチトースト」550円

レモンのほのかな酸味が最高のアクセント。「フレンチトースト」はコーヒーにぴったり。変わらないシンプルさが純喫茶にふさわしい。

〈珈琲 ワンモア〉
■03-3617-0160

(Hanako1146号掲載/photo : Mao Yamamoto text : Wako Kanashiro)