スタンドで堪忍袋の緒が切れ、ファンに暴力を振るったネイマール。暴挙に及んだ理由とは? (C) Getty Images

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 現地時間4月27日に開催されたフランス・カップ決勝でパリ・サンジェルマンはレンヌにPK戦の末に敗れた。

 絶対王者のパリ・サンジェルマンが、大会5連覇を逃した試合結果以上に大きな波紋を広げているのが、ネイマールの表彰式での振る舞いである。

 この試合で1ゴール・1アシストという活躍を見せていたネイマールは、試合後、表彰式が執り行われるスタンドへ上がっていく際にスマホで撮影をしていた男性を睨みつけると、何かを言い放ってから顔面付近を目がけ、相手を突き飛ばすような形で右手を出したのである。

 味方選手になだめられて、その場は収拾したものの、この暴力行為は、SNS中心に拡散され、世界中から非難を浴びることとなった。

 いったいなぜ、“セレソンの至宝”は男性に怒ったのか? スペイン紙『Marca』などによれば、SNS上にアップロードされた動画の男性の言葉をネイマールの友人が書き起こし、自身のインスタグラム(Instagram)に投稿しているという。

 それによれば、レンヌから来た20代後半の配送ドライバーである男性は、この試合で控え組だったジャンルイジ・ブッフォンやレーバン・クルザワに対し、「おいブッフォン、汚いブッフォンよ! おいクルザワ、俺に触るんじゃねえよ!」と罵声を浴びせ、さらにマルコ・ヴェッラッティには「このレイシストめ!」と愚弄していたというのだ。

 その男性から「サッカーを勉強してこいよ!」と言われたネイマールは、堪忍袋の緒が切れて、暴力を働いてしまったという。
 
 この友人の投稿に対してネイマールは、「チームメイトを守った僕のことは誰が守ってくれるんだ?」と返信。さらに自身のインスタグラムのアカウントでは、「自分がまずいことをしたかって? その通りだよ」と発言したうえで、「だけど、仲間のためにも黙っているわけにはいかなかった」と正当な理由があったことを主張した。

 しかし、当の被害男性はネイマールを許すつもりはないようである。

 試合翌日のフランスの日刊紙『レキップ』に登場した男性は、「お前らは本当に弱いと言ってやったんだ。階段を上がっていくヴェッラッティやブッフォンに『この雑魚どもが。行こうぜレンヌ!』とからかっただけだよ」と発言し、「唇を切って鼻血が出た」とネイマールに対して訴訟を起こす考えを明らかにした。

 地元紙『Le Parisien』などは、今回の暴行騒動によってネイマールは、最大で5試合の出場停止処分が科される可能性があると報道している。

 大騒動へと発展した今回の一件は、いかなる決着をみるのか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部