4月28日、京都競馬場でGI天皇賞・春(芝3200m)が行なわれる。

“平成最後のJRAGI”となるこのレース。”平成の盾男”の異名をとり、メジロマックイーン、ディープインパクト、キタサンブラックなどで天皇賞は春秋合わせて14勝を挙げている武豊騎手の騎乗がない(香港に遠征中)のは少し寂しいが、面白いメンバーが揃っている。

 平成最後の天皇賞を締めくくるのに相応しい血統馬と見ているのがグローリーヴェイズ(牡4歳/美浦・尾関知人厩舎)だ。


今年1月の日経新春杯を制したグローリーヴェイズ

 父ディープインパクトは2006年のこのレースをレコード勝ちし、クラシック三冠を含むGI7勝を挙げた”平成の最強馬”の1頭。3代母メジロラモーヌは、1986年に史上初の牝馬三冠を達成した名牝だ。グローリーヴェイズは血統表内に、牡牝の三冠馬の血を持っている。

 グローリーヴェイズは洞爺湖町のレイクヴィラファームの生産馬だが、その前身は2011年に解散したメジロ牧場。メジロ牧場は代々、天皇賞を最大目標に馬を作ってきており、生産馬以外を含む”メジロ”の冠名が付く馬だけでも、1969年・秋のメジロタイヨウ、1970年・秋のメジロアサマ、1971年・春のメジロムサシ、1982年・秋のメジロティターン、1991年・春、1992年・春のメジロマックイーン、1998年・春のメジロブライトと、天皇賞は実に6頭による7勝を数える(1983年までは天皇賞・秋も3200m)。

“メジロ”の冠名がなくなっても、2016年にはメジロの牝系から生まれたモーリス(5代母メジロクインから母メジロフランシスまで続くメジロ牝系)が、天皇賞・秋を勝っている。馬主や生産者が替わっても、血統は受け継がれていくものなのだ。

 グローリーヴェイズの祖母の父メジロライアンは、1991年の宝塚記念(京都・芝2200m)勝ち馬で、1998年の天皇賞・春のレースの勝ち馬メジロブライトの父。その父アンバーシャダイも、1983年の同レースの勝ち馬だ。

 さらに、2016年と2017年とこのレースを連覇したキタサンブラックとの関係を見ると、グローリーヴェイズの父ディープインパクトと、キタサンブラックの父ブラックタイドが全兄弟。キタサンブラックとグローリーヴェイズは、母系の血もノーザンテースト、クリアアンバー、リファール、ネヴァービートが共通と、似通った血統構成になっている。ディープインパクト産駒はまだこのレースを勝っていないが、天皇賞にゆかりの深い血統だけに期待したい。

 天皇賞に強い血統という点では、ステイゴールドの血も見逃せない。過去6年の天皇賞・春で、2013年、2014年フェノーメノ、2015年ゴールドシップ、2018年レインボーラインと、3頭の産駒が4勝しているのだ。

 今年の登録馬はエタリオウ(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)とパフォーマプロミス(牡7歳/栗東・藤原英昭厩舎)の2頭。

 エタリオウは昨年のGI菊花賞(京都・芝3000m)でもハナ差の2着に入っていて、距離とコース適性は実証済み。ただ、母の父カクタスリッジは、スピードタイプのストームキャット系の種牡馬で、現役時代は4.5ハロン(約900m)から8ハロン(約1600m)の距離で4戦4勝というスピードタイプだった。いくら父がステイゴールドで、母が9ハロン(約1800m)の米GI馬とはいえ、3200mのGIがイメージしにくい血統ではある。菊花賞の実績があるので気にしすぎる必要はないが、ちょっと気になるデータだ。

 一方のパフォーマプロミスは、母の父タニノギムレットがGI日本ダービー(東京・芝2400m)勝ち馬で、その産駒には同じく牝馬で日本ダービーを制したウオッカがいる。伯母にもGIオークス(東京・芝2400m)を勝ったシルクプリマドンナがいて、母の父の父ブライアンズタイムは三冠馬ナリタブライアンや天皇賞・春の勝ち馬マヤノトップガンを出している。数々の名馬を思い起こさせるこの血統背景も、平成最後のGIを締めくくるに相応しい馬と言えるだろう。 以上、今年の天皇賞・春は、メジロ血統の血を受け継ぐグローリーヴェイズと、ステイゴールド産駒の2頭に注目したい。