試合を中継したテレビ局は終了後、活躍選手にヒーローインタビューを行う。監督にインタビューする場合もある。日本のみならず外国でも。放送時間が足りないとき以外、毎度行われる慣例だ。

 面白いかつまらないかと言えば、あまり面白いものではない。ピッチの脇にスポンサー名の入ったボードを立て、その前で慌ただしくも淡々とインタビューは行われるが、試合直後というわけで選手の息も弾んでいて、聞き手の腕前がよほど優れていない限り、何か特別な言葉がこちらの耳に入ることはない。

 話の中身より、顔を映し出すことが優先されている感じだ。それがテレビ的だと言われれば、返す言葉はないが、十年一日の如しという感じで、形骸化していて面白みに欠ける。やらないよりやった方がいいかなという程度のものになっている。

 監督は試合後、可及的速やかに会見場のひな壇に座らせられる。日本と欧州。欧州ではなく外国全般と枠を広げた方がいいかもしれないが、それぞれにおいて最も異なる点は何かと言えば、この監督会見になる。日本の雰囲気はまさにぬるま湯。辛辣な質問が飛ぶことは滅多にない。激しい口論となり、喧嘩になることもない。穏健なムードに支配されているが、外国はそうではない。きわめてナチュラル。監督采配等に問題があれば、厳しい質問が容赦なく飛ぶ。テレビ局が試合直後に行う監督インタビューより断然、面白い。エンタメ性に富んでいる。

 選手は全員、スタジアムを後にする前にミックスゾーンを通過することが義務づけられている。そこで記者から質問を受ける。ごくたまに、耳にヘッドフォーンを当てたまま立ち去る変わり者もいるが、シャワーを浴び、着替えを済ませ、一段落していることもあり、ミックスゾーンでの取材は試合直後に行われるヒーローインタビューより、中身のある話を聞き出しやすい環境にある。とはいえ、かつてより選手は話さなくなっている。無難な話に終始しようとする。誰かの批判でもしようものなら、瞬く間にネットにアップされることが見えているからだが、それはともかく、面白い、つまらないにかかわらず、インタビューやコメント、さらに言えば意見や感想で溢れているのがサッカーの特徴だ。

 プロ野球にはない魅力だ。データを眺めれば、そのアウトラインはだいたい把握できるという競技特性に基づいているのだろうか。監督が会見場のひな壇に座り、記者からの質問に答えるというシーンは滅多に見ない。選手がミックスゾーンで、記者から囲まれているというシーンも見たことがない。

 目にするのはせいぜい試合後のヒーローインタビューぐらいだ。しかし、こちらはサッカーのそれより断然、派手だ。ヒーローがインタビュアーと同じレベルで話すサッカーに対し、野球は選手をお立ち台に昇らせ、仰々しく行われる。インタビューもインタビュアーと選手の関係に終始しない。観衆を意識したものになる。なによりエンタメを重視した取材活動の一環とはいえないものに成り下がっている。

 そして最後には必ず「スタンドに詰めかけた○○ファンに向け、一言お願いします」とマイクを向ける。

 選手歴が長い選手は場慣れしているのか、観衆と積極的にコミュニケーションを図ろうとする。お笑い芸人よろしく、ウケを狙ったパフォーマンスを繰り出すこともしばしばだ。インタビュアーであるアナウンサーも、その一翼を担う盛り上げ役という感じで、ジャーナリスティックな匂いはほとんどしない。 サッカーのヒーローインタビューは、選手はそれなりのことを喋るけれど、あまり面白くない。プロ野球は面白いけれど、もはや選手が弾ける場所と化し、野球の詳しい話が聞ける場所ではなくなっている。それぞれ、インタビューとしてはどうなのと首を傾げたくなるが、どちらかと言えば、サッカーの方が性に合っている。