3歳牝馬クラシックは、早くも第2弾となるGIオークス(5月19日/東京・芝2400m)に向けての”最終選抜期間”に入っている。今週末に行なわれるGIIフローラS(4月21日/東京・芝2000m)も、そのひとつ。2着までに優先出走権を与えられるトライアル戦で、大舞台へのチャレンジを狙う若き乙女たちが火花を散らす。

 そのフローラSだが、過去5年間のうち3連単の配当が4度も10万円超えと、穴党には見逃せない一戦となっている。その点について、日刊スポーツの太田尚樹記者が補足する。

「2014年には(3連単が)108万8940円という高配当が飛び出しました。ここ3年も、2016年は13番人気のアウェイクが3着に入って波乱となり、2017年には12番人気のモズカッチャンが勝利し、10番人気のヤマカツグレースが2着に入って、馬連でも3万2010円の万馬券となりました。

 さらに、昨年も13番人気のパイオニアバイオが2着に飛び込んできて、3年連続でふた桁人気の馬が馬券に絡んでいます。そして今年も、重賞連対馬が1頭もいないメンバー構成となっており、かなり難解なレースとなっています。当たればデカいでしょうから、予想のしがいがありますよ」

 出走18頭のうち、2勝馬は5頭。ただ、スポーツ報知の坂本達洋記者によれば、「それらも抜けた存在ではない」と言って、こう続ける。

「1勝馬でも、初戦で上がり33秒3の末脚を繰り出したセラピア(牝3歳)など、キャリアは浅くても素質が高い馬がいて、そちらのほうに目がいきます。正直、絶対的な存在は見当たらないですね」

 では、どんな馬が狙い目になるのだろうか。坂本記者はこう分析する。

「注目したいのは、馬場とペース。開幕週の東京ですから、前をいく馬に有利なコンディションであることは、言わずもがなです。でもそのわりには、このレースは例年速いペースにはならない傾向にあります。

 つまり、スローな流れからの瞬発力勝負になるか、マイペースでいった逃げ馬の粘り込みになるか、そのどちらか。相反する結果になるのですが、このふたつの展開を想定して穴馬をピックアップするのがいいと思います」

 そして坂本記者は、まずは「逃げ馬の粘り込み」の展開を想定して、ジョディー(牝3歳)に注目する。

「GIIIクイーンC(2月11日/東京・芝1600m)では、勝ったクロノジェネシスにコンマ1秒差の3着と好走。そこからさらに2走前の赤松賞(11月18日/東京・芝1600m)では、鼻差の逃げ切り勝ちと、しぶとさと勝負根性が光る馬です」


東京コースを得意とするジョディー

 ここまで7戦2勝。そのうち、東京・芝コースでは3戦して2勝、3着1回と相性がいい。

「確かに今回は得意舞台で、自分の形で行ければ、そう簡単には崩れないでしょう。主戦の武藤雅騎手も、『すごく具合がいい。(後ろから)つつかれたほうがいいし、ここも逃げていきたい』と、果敢に逃げ宣言をしています。人気のウィクトーリア(牝3歳)も前にいくと思われますが、よほどの乱ペースにならない限り、ジョディーが粘り込む可能性は高いと見ています」

 次に「瞬発力勝負」になった場合として、坂本記者はペレ(牝3歳)の名前を挙げる。

「1勝馬ながら、昨年の菊花賞2着馬エタリオウの半妹という血筋に惹かれます。まだ成長段階で幼い面も見られますが、初勝利を挙げた2走前の未勝利戦(11月18日/東京・芝1600m)では、鋭く追い込んで素質の片鱗を披露。前走の500万下(2月24日/中山・芝1800m)も、ウィクトーリアの2着に屈しましたが、先行する形で収穫のある内容でした。

 鞍上の大野拓弥騎手が『操縦性が高いので、どんな競馬でもできる。距離も血統的に問題ないでしょう』と語るように、こちらも大崩れしないタイプ。馬が徐々にしっかりしてきているのも魅力で、このメンバーなら十分に上位を狙えます」

 デビュー戦(10月8日/東京・芝1600m)では、のちにGIII共同通信杯を制し、GI皐月賞でも僅差の3着と好走したダノンキングリーに、コンマ3秒差の3着と善戦したペレ。一発があっても不思議ではない。

 一方の太田記者は、3カ月半ぶりの出走となるパッシングスルー(牝3歳)を推す。

「前走は、キャリア1戦の身で牡馬相手のGIIIシンザン記念(1月6日/京都・芝1600m)に挑んで4着と善戦しました。騎乗していた池添謙一騎手はレース後、『勝負どころでモタモタしたけど、かわされてからも差し替えそうとしていた』とコメント。その話の内容から、距離延長も歓迎だと思います」

 相手関係の比較については、前走のシンザン記念に限らず、初陣となる新馬戦(10月13日/東京・芝1600m)も強調できる材料だ。太田記者が続ける。

「デビュー戦で2着に下したワイドファラオが、その後にGIIニュージーランドトロフィーで勝利。これら2戦を総合して考えれば、休み明けであっても、ここなら上位の存在でしょう。勝ち負けを期待しています」 いよいよ平成の競馬も残り2週。フローラSでは再び波乱の結果が待ち受けているのか。その一端を担う馬が、ここに挙げた3頭の中にいてもおかしくない。