束縛がキツい…男が本気で逃げる「重すぎる女」からの脱却法3つ   #12

写真拡大 (全5枚)

彼のことを愛するあまりについ束縛してしまう。そんなことを言う女性っていますよね。でも束縛って、実は心の愛情不足が関係しています。それどころか、長期的な関係の中で、束縛は誰も幸せにしないことも……。いったい何が問題なのか。「束縛したい」or「されたい」という感覚の根底にある仕組みを解説していきます。

文・おおしまりえ

【おおしまりえの恋愛道場】vol. 12

束縛…それってどうして危険なの?

束縛って、一般的にはあまり良いイメージはありませんよね。でも、なかには「好きな人からなら、束縛されたい! 把握されたい!」と思っている女性も一定数存在します。軽いものならいざしらず「毎日今日何をしていたかを報告しあいたい(把握してもらいたい)」と思っている重度の方も存在します。

これって付き合いたてなど、関係がうまくいっている時はまだ良いのですが、実は長期的にみると必ずと言っていいほどうまくいきません。それはなぜなのか。今日は改めて “束縛” というモノの正体を見ていきたいと思います。

なぜ束縛ってダメなの?

そもそも多くの女性の中に “束縛は良くない” という知識はあると思います。「彼氏に負担がかかって嫌われるから」「重たい女と思われるから」など、いろいろ理由があるかと思いますが、実際なぜ束縛がダメか、本当の理由を知っていますか?

それは束縛の根底には相手への依存があるからです。依存感情のある関係性は、どんなに性格が合うとか体の相性がいいとか別の理由があったとしても、長期的にみてうまくいかないのです。ちなみにお互いが束縛し合う関係でも、共依存の関係が根底にあるので、同じくうまくいきません。

ではなぜ依存の気持ちを抱えて恋愛をしてはいけないのかというと、相手に依存している状態とは、そもそもの幸せのベースが、自分ではなく相手に委ねている状態だからです。

幸せとは本来他人の言葉や行動で一喜一憂して感じるものではなく、自分の中の感覚を基本とするべきものです。例えば彼に愛されたいと思ったとしても「彼から愛されているから幸せ」なのではなく「彼を愛することのできる自分は幸せであり、彼から愛されることでもっと幸せ」でなくてはならないのです。

発信源はあくまでも自分であるという感覚がないと、どんな愛され方、どんな付き合い方をしても、最終的には不安定なものになってしまいます。

束縛されると幸せを感じる仕組みとは

束縛の根底には相手に依存する感情がある。だから幸せを感じてもそれは健康的ではないし長続きしません。でも実際問題、好きな人に束縛されると「気にかけてもらってるんだ〜」という安心感や大事にされている感覚になることってありますよね。これはどうして起きるのでしょう。

実は束縛で感じる幸せは、人間の本能的な “愛着の心” と関係しています。人間は赤ちゃん〜幼少期にかけて、親からの愛情を受け取り、漠然とした安心感を覚えます。無意識レベルの「受け止めてもらえる」「見守ってもらっている」という感覚です。

しかし、この幼少期にもらう愛情のカタチがちょっと間違っていたり、はたまた虐待などの問題で受け取ることができないまま成長すると、「見守られている感覚」が極端に低いまま人は成長してしまいます。

その状態で大人になって恋愛をすると、見守られている感覚が極端に低いため、相手に見てもらいたい or 安心できないから相手を過剰に見守りたい。という束縛行動に出てしまうんです。

これ、お互いの好きのバランスが取れていたとしても、根底には「見守られて安心したい」という愛情不足が絡んでいますから、いつまでたっても、愛情に対する渇望感が埋まることはありません。いずれ関係のバランスが崩れてしまうというわけです。

ちなみに「寂しいと異性とついセックスしてしまう」という理由も、同じような理由が絡んでいます。寂しい=大事にされたい=肌のふれあい。異性に受け入れられること。という脳内変換がおきて、つい愛のないセックスをしてしまうんですね。束縛はいけないとか、寂しさからセックスしてはいけないと良くいいますが、仕組みをしっかりすると、すごく心の問題とリンクしているんです。

今日から変わる! 脱束縛的恋愛のススメ

「束縛したい」or「されたい」という気持ちは、思っている以上に心に根深い問題を宿しています。そのため、すぐにやめる! ということは難しいかもしれません。でも長期的にみて、心の問題や考え方のクセを取り払うことで、だんだん感情を癒やしていくことは可能です。そこで「束縛を少しやめてみようかな〜」と思う女性に向けた、3つのアプローチをご紹介します。

・束縛という愛し方をしてしまう自分を許そう

散々束縛のデメリットをご説明したわけですが、そもそも「束縛をしてしまう自分」or「されて喜ぶ自分」は間違っていたかもしれませんが、責めずに許しましょう。その渇望感はあなたが悪いのではなく、あなたの心の器に、愛情が足りなかったから起きたものです。

悪いのは間違った行動を繰り返すあなたではなく、そういう育ち方をしてしまった環境が問題なのです。至らない自分を責めるのではなく、まずは自分を許し、受け止めるところから始めましょう。

・本当は安心したかった。安心できなくて苦しくかった心に気づく

漠然とした安心感が足りない状態で育った子というのは、無意識の中に「安心したかった」「寂しかった」「怖かった」といったネガティブな感情を抱きしめたままでいます。

まずはシンドいかもしれませんが、深呼吸しながらそのネガティブな感情をいったんじっくり感じましょう。泣いてしまったり、怖くて胃が痛むこともあるでしょう。でもそれくらい、あなたの中には不安感がずっとずっとあったのです。

そりゃあ相手に過剰に期待したり、束縛したい気持ちが爆発するのも仕方ないって思えませんか。感情にしっかり気づいたら、それが落ち着くまで味わって、そして癒やしていきましょう。

・「私が幸せになるために相手と関わる」という視点で行動しよう

自分がどのくらい大変だったか気づけると、少し行動を変える余裕も出てくるかもしれません。最後は物理的な行動の変化として「相手ではなく自分」を基準とする行動を心がけてみてください。

例えば彼に尽くすにしても「彼に喜んでもらいたいから」と相手への期待だけで動くのでなく、「彼のために尽くすことが楽しい! 幸せ!」を前提にして、相手のリアクションに過剰に期待しないで欲しいのです。

この心持ちが習慣化されると、実は束縛するという行動すべてが、自分が基準になっていないことに気づけてきます。とはいえ、その状態になれるには少し時間がかかりますので、ゆっくりゆっくり。心の片隅に置いておく感覚で、やってみてください。

束縛って当たり前にしがちですが、実はけっこー根深い問題です。だからこそ、あまり良くないなあと思うなら、ゆっくりじっくり、取り組んで見て欲しい。そうして束縛したい感情を緩めていければ、気づいた時には、あなたも相手も、今以上に幸せになってるかもしれませんよ。

おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。

©fizkes/gettyimages©fizkes/gettyimages©BartekSzewczyk/gettyimages©shapecharge/gettyimages