左から本田、中田、香川、小野、中村。平成の日本サッカー史を彩った巨人たちだ。(C)Getty Images

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 改元をおよそ2週間後に控え、平成30年間を振り返る企画がそこかしこでメディアを賑わせている。日本サッカー界の平成史を紐解くものも少なくない。

 そんななか、ここでは「推定市場価格」に焦点を当て、歴代日本人フットボーラーのトップ30を集計してみた。推定市場価格はドイツの移籍専門サイト『transfermarkt』が独自のデータを基に算出している数値で、言うなればプロフットボーラーの“市場価値”。年齢や実績、過去の移籍金などさまざまな情報を総合的に判断し、弾き出されている。

 今回対象としたのは選手個々のピーク時の値。キャリアの最盛期における評価額で、ランキング化を試みた。

 堂々1位に輝いたのは、香川真司である。2012年夏にボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに移籍した直後の2200万ユーロ(約28億6000万円)が、日本人選手の歴代トップとなった。あれから7年が経過し、今年2月からはトルコのベジクタシュでプレー。三十路を迎えた現在も800万ユーロ(約10億4000万円)という高い評価を得ている。

 2位は、オーストラリアのメルボルン・ヴィクトリーで奮闘を続けている本田圭佑だ。こちらはCSKAモスクワで不動の地位を築いていた2013年1月の2000万ユーロ(約26億円)が最高値。その後ACミランに活躍の場を移してキャリアの春を謳歌したが、以降、推定市場価格の自己新は更新されていない。現役でナンバー1の評価額1800万ユーロ(約23億4000万円)を叩き出している中島翔哉はすでに歴代3位。名門インテルで長きに渡ってレギュラーを張った長友佑都が4位に食い込んでいる。
 
 岡崎慎司、武藤嘉紀のプレミアリーグコンビと並んで5位タイに付けたのが、中田英寿氏である。フィオレンティーナ時代の1000万ユーロ(約13億円)が最高値と、こちらはやや低めの印象。『transfermarkt』が発足したのは2004年10月で、それ以前のデータは存在しない。この10年で移籍金や推定市場価格が大幅に跳ね上がったとはいえ、2001年夏にASローマからパルマに移籍した際、中田氏の移籍金は2840万ユーロ(約37億円)もあっただけに、おそらく当時の評価額は2000万ユーロ近くに達していたのではないだろうか。

 いまだセルティックでそのハイパフォーマンスが語り草となっている中村俊輔は、内田篤人、冨安健洋と並んで9位タイ。驚異的なのは遠藤保仁で、海外挑戦を一度も経験していないにもかかわらず、650万ユーロ(約8億4500万円)というハイスコアをマークしていた。これは田中マルクス闘莉王や中村憲剛も同様で、長い時間をかけて日本サッカーとJリーグが欧州でも認められる存在となった証だろう。
 ほかにも小野伸二や高原直泰、長谷部誠、松井大輔ら時代の“顔”となった面々がずらりと居並ぶ。日本人選手の「推定市場価格」歴代トップ30は以下の通りだ。

【日本人フットボーラー「推定市場価格」歴代トップ30】
1位 香川真司 2200万ユーロ(約28億6000万円/2012年7月/マンチェスター・U在籍時)
2位 本田圭佑 2000万ユーロ(約26億円/2013年1月/CSKAモスクワ在籍時)
3位 中島翔哉 1800万ユーロ(約23億4000万円/現在/アル・ドゥハイル所属)
4位 長友佑都 1400万ユーロ(約18億2000万円/2014年7月/インテル在籍時)
5位 中田英寿 1000万ユーロ(約13億円/2004年10月/フィオレンティーナ在籍時)
5位 岡崎慎司 1000万ユーロ(2016年2月/レスター在籍時)
5位 武藤嘉紀 1000万ユーロ(現在/ニューカッスル所属)
5位 清武弘嗣 1000万ユーロ(2013年8月/ニュルンベルク在籍時)
9位 中村俊輔 900万ユーロ(約11億7000万円/2007年9月/セルティック在籍時)