保釈されたピエール瀧被告

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 不在が、ニュースの中心になるケースがある。

【写真】いろんな顔のピエール瀧、サインや私服(アロハシャツ)姿も

 4月の1週から2週にかけ行われた映画『居眠り磐音(いねむりいわね)』(5月17日公開)のイベント、映画『麻雀放浪記2020』の公開初日舞台あいさつ、「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」。

 この3か所で、その場にいた人々の脳裏をよぎったのは、“コカイン逮捕”された俳優でミュージシャンのピエール瀧被告(51)だ。

 逮捕によって『居眠り〜』は再撮に追い込まれた。

「当初は完成披露試写会として予定されていた先日のイベントですが、披露する作品のないイベントになりました」と映画関係者。本編は上映されることなく、ダイジェスト版が流れるのみだった。そのイベントと同じ時間帯に、ピエール瀧被告は保釈された。

「その際のあいさつに、ピエール瀧の意志を見ましたね」

 というのはスポーツ紙記者だ。

あの文春にもタブーが

「『このたびは私、ピエール瀧の反社会的な行為で多くの方に〜』と短い謝罪をしたのですが、あえて自分で『ピエール瀧』と芸名を名乗ったことが、瀧正則被告ではないぞ、芸能活動は続けるぞ、という強い意志に感じましたね」

 映画『麻雀放浪記2020』の初日舞台あいさつでもピエール瀧被告は影の主役という存在で、主演の斎藤工(37)が猛省を促し、白石和彌監督(44)は仕事以外で協力できることはしたい、と述べた。

 この『麻雀放浪記2020』だが、これまで多くのメディアが公開かお蔵入りかといった騒動を報じる中、沈黙を保ち続けた媒体があったという。

「あの『週刊文春』ですよ」

 と、フリーライターが明かす。理由はちゃんとある、という。

「『週刊文春』の表紙を担当しているのが、イラストレーターの和田誠さん。1984年に公開された『麻雀放浪記』の監督が和田さんでした。そのために、『週刊文春』内部ではまったく取り扱えない、うちにもタブーがあるんですよ、と、現場記者がボヤいていましたよ」

 ついでにいってしまうと、『週刊文春』で、もうひとり取り扱わなくなっているのが、現在、同誌で小説(4月18日号で最終回を迎えた)を執筆しているビートたけし(72)だ。

 そのたけしが、先日の「天皇陛下御即位三十年奉祝感謝の集い」のスピーチで浮かび上がらせたのもまた、『アウトレイジ 最終章』に出演していたピエール瀧被告だった。

 たけしは「両陛下がご覧になった映画が、不届き者を2人(新井浩文被告とピエール瀧被告)も出した『アウトレイジ3』ではないことを祈るばかりです」と、笑いをとるも、ここでも“不在”がニュースに。

 保釈されたのはいいが、無職のピエール瀧被告は今後、5億円とも10億円とも報じられる損害賠償に向かい合わなければならない。

「初公判で執行猶予がつけばですが、ヨーロッパをベースに所属する電気グルーヴで音楽活動を再開させる、というのがハードルが低い復帰の道筋になる。その後は日本でも、まずは音楽活動からとなるでしょうね。映画やテレビ復帰となるとハードルは高くなりますが、音楽畑であれば、ASKAも槇原敬之も岡村靖幸も、わりとみなさん“過去”があっても復帰できていますからね」(イベンター)

 俳優としての復帰の道は厳しそうだが、ミュージシャンとしての不在は、そう長いことにならない。それは、ピエール瀧被告にとっても安心材料だろう。

<取材・文/薮入うらら>