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4月7日まで埼玉県熊谷ラグビー場で行われていた全国高校選抜ラグビー大会。その大会中、チームメイトに盛んに声をかけるなどリーダーシップを発揮し、プレーでは相手のディフェンスラインを切り裂く突破力で目立っていたのが、長崎北陽台のエース・山口泰輝。彼は楕円球に出会った6歳から順風満帆な選手生活を送ってきたという。しかし、昨年8月に17歳以下日本代表からまさかの落選。今年はその悔しさをバネに、昨年度の全国大会ベスト8越えと、個人としては高校日本代表入りを目指す。

ラグビー人生で初めての挫折から学んだこと

自分の名前が協会のホームページになかったのを確認した瞬間、山口の頭は真っ白になった。

昨年8月に行われた17歳以下日本代表の合宿。その直前にあったコベルコカップでパフォーマンスの良かった35人が長野県菅平高原に招集された。「自分のプレーをしたら、当然代表入りすると思っていました。」今振り返ると、慢心だったと思うが当時はそれが山口の本心だった。しかし、結果は落選。理由は、フルバックとしてスピード不足だったこと。練習・試合でのアピール力が他のライバル選手に比べて足りていないということだった。

「あまりの悔しさに立ち直るのに1週間ぐらいかかりました」

中学2年時に長崎県選抜入り。中学3年時には長崎県選抜のキャプテン。高校1年時から北陽台のスタメンで活躍していた山口にとっては、受け入れ難い現実。しかし、長崎北陽台の品川監督は「山口は早熟で常に注目されてきた選手。伸び悩んでいるなと思っていたし、この経験はむしろ良かったと思います」と話す。実際、山口はこの悔しさからひたむきに泥臭くプレーする重要性を学び、一から自分を作り上げるつもりで練習に励んできた。また、課題だと指摘されたスピードについては、ニュージーランド代表・ボーデンバレット選手のトレーニング映像や陸上選手のトレーニング映像を参考にして、日々の自主練習に取り入れて課題克服に取り組んだ。すると、昨年12月の全国大会では「良いプレーが出来ました」とイキイキとしたプレーが目立ち、チームのベスト8入りに大きく貢献。品川監督も認める活躍をみせた。

「今年はバックスリーダーに就任。目指すは全国大会ベスト4以上」

今年は17歳以下日本代表だった岡崎颯馬がキャプテンを務め、山口はバックスリーダーに就任した。北陽台は昨年からフォワードのスタメンが5人抜けているが、「バックスから盛り上げて勝てるチームを作っていきます」と意気込む。選抜大会はグループリーグ突破とはならなかったが、まだまだ新チームはスタートしたばかり。今年の目標は「全国大会ベスト4以上」に設定した。挫折を経験し、新しく生まれ変わった山口泰輝がハナツ輝きに注目だ。
【写真:清水良枝、文:進藤佑基】