いよいよクラシックシーズンが到来。その第1弾となるGI桜花賞(阪神・芝1600m)が4月7日に行なわれる。

 昨年はアーモンドアイが勝利し、そのまま牝馬三冠を達成。同馬はその後もジャパンカップを制すると、先日は海外GIのドバイターフまで快勝して、一気に世界トップレベルの名馬へと駆け上がっていった。

 とはいえ、昨年のレース前までは、大本命の馬は別にいた。無傷の4連勝で大一番に臨んだラッキーライラックである。同馬は圧倒的な1番人気に支持されながら、アーモンドアイの驚異的な末脚に屈した。

 そんな昨年を含めて、桜花賞では1番人気が目下4連敗中である。2014年にハープスターが勝利する前も3連敗という状況にあった。まだまだ成長過程にあるうら若き3歳牝馬ゆえ、断然ムードの馬であっても容易に勝てるレースではないのだ。

 そして今年、現在4連勝中の2歳女王ダノンファンタジー(牝3歳)がかなりの人気を集めそうだが、こうした過去の流れからすると、決して安泰とは言えない。意外な伏兵の台頭も十分に考えられる。

 その穴馬候補を挙げるにあたって、スポーツ報知の坂本達洋記者は「例年の傾向で考えれば、チューリップ賞(3月2日/阪神・芝1600m)組なんですが……」と言って、こう語った。

「(人気の)ダノンファンタジーが直線で前が壁になりながら、慌てずに外へ持ち出してきっちり勝利。やや抜けた存在であったことを考えれば、チューリップ賞組は勝負付けが済んでおり、食指が動きません」

 そこで、坂本記者は別路線組から推奨馬を挙げた。まずは、GIIIクイーンC(2月11日/東京・芝1600m)2着のビーチサンバ(牝3歳)だ。ここまで4戦1勝ながら、敗れた3戦はGIIIで2着が2回、GIで3着が1回と、高いレベルで安定した結果を残している。

「何が何でも逃げたい馬はいない様子で、有力馬は好位、先行の形が多そう。そうした状況にあって、阪神のマイル戦でスローの展開は考えにくく、ある程度よどみなく流れていくでしょう。万が一、ヨーイドンの瞬発力勝負になってしまうと厳しいのですが、想定どおりのタフな流れになれば、大きなストライドで長くいい脚が使えるこの馬に、チャンスが巡ってくると考えます。

 クイーンCでも直線で後方から伸びて、ゴール前まで勝ったクロノジェネシスに迫る脚を見せました。桜花賞でも最後の”阪神の坂”で、前方馬群を一気にのみ込むシーンを期待したいです」

 坂本記者はもう1頭、高配当が狙える穴馬の名前を挙げた。


デビュー3戦目で桜花賞に挑むレッドアステル

「レッドアステル(牝3歳)です。素質面を”先物買い”ということで、イチ押しします。新馬(1着。12月16日/中山・芝1600m)、トライアル戦のアネモネS(2着。3月10日/中山・芝1600m)と、まだ幼い面を見せていましたが、ギアが上がってからの反応が鋭く、センスを感じます。

 ある関係者は『まだまだだけど、秋になったら本当に面白くなるよ』と、素質の高さには太鼓判。関東馬ですが、3月中旬から栗東トレセンに移動して調整しているのも、意欲的と見ていいでしょう。一発があるかもしれませんよ」

 昨年のアーモンドアイと同じ国枝栄厩舎の所属馬となれば、戦績的に見劣りしても軽視するわけにはいかないだろう。

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、関西で行なわれたトライアル組から2頭の馬を推す。

「1頭は、プールヴィル(牝3歳)です。前走のGIIフィリーズレビュー(3月10日/阪神・芝1400m)で1着同着ながら、重賞初制覇。そのわりには人気の盲点になっていることを考えると、引き続き狙えます。

 昨年末のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月9日/阪神・芝1600m)でも5着と上位争いを展開。その際、直線で前にいた馬が下がってきて、進路を替える場面がありました。スムーズなら、さらに前身があったでしょうから、当時の上位陣とは互角に渡り合ってもおかしくりません。

 マイルまでなら、距離も十分に守備範囲。この中間、前走の疲れも取れて、馬体、コンディションともに順調に回復しています。追い切りでは秋山真一郎騎手を背にして、栗東坂路で4ハロン54秒2−12秒3。馬なりでしたが、軽快に伸びて好調をアピールしていました。

 自在に運べるのが強みで、18頭立てのフルゲートの一戦となれば、その機動力が生かされるはず。馬体重が極端に減ってなければ、ここでも魅力的な存在と言えます」

 大西記者が推奨するもう1頭は、チューリップ賞2着のシゲルピンクダイヤ(牝3歳)だ。

「前走チューリップ賞は、繋靱帯炎(けいじんたいえん)による休養明けで、およそ4カ月ぶりの実戦でした。馬体重は10kg減で、レース前からテンションがかなり高かったんです。にもかかわらず、最後はメンバー最速の上がりをマークして、2着に食い込みました。

 ゴール前では内にもたれながらも、勝ち馬ダノンファンタジーに1馬身差まで詰め寄りました。レース後、鞍上の和田竜二騎手は『走り出すと落ち着いて、折り合いもついて、ラストはすごい脚を使ってくれた』と絶賛。同馬の底知れぬ可能性に目を細めていました」

 休み明けでの激走ゆえ、今回はその反動が気になるところだが、それについても「問題ない」と大西記者は言う。

「中間は、精神面や脚もとをケアしながら、プールなども併用して丹念に調整されています。反動よりも、1回使ったことによる心身両面での上積みも大きく、前走以上のパフォーマンスを発揮できそうな状態です。

 勝負根性があり、つなぎも立ち気味で、道悪やタフな馬場にも対応は可能でしょう。末脚勝負の流れになれば、まとめて差し切れるだけの脚を持っており、一発の可能性も秘めています」 満開の桜のもと、華麗な舞いを見せるのはどの馬か。平成最後の若き乙女たちの一戦から目が離せない。